第六十九話「一人じゃ駄目だから」 ページ20
球も少なくなりつつある。
十四松がもともと何球持っていたのか、分からないけどたぶんもうほとんどない。
おれたちはお互いに撃ち合って、避けて、時々昔話をした。
苦しかった事も話し合った。
こんな状況だからこそ、普段言えない弱音を言えた。
おれもお前も、ずっと悩みを抱えて生きていた。
「……十四松、お前降参する気は…」
スチャリと音が聞こえた。
気付くと目の前に十四松がいた。
あぁ…駄目だったか。
「いいよ、撃ちなよ。そしたらお前の勝ちだ」
勝負は勝負。
ここで怖気付いてちゃ、兄失格だ。
「一松兄さん、最後に言い残すことある？」
最後…か。
「……お前のこと、救えなくてごめんね」
「…」
十四松は、引き金を
……引いた。
……………？
「一松、兄さんは…強いね……球、無くなっちゃったよ」
周りを見ると、たくさんの使われた球が落ちていた。
そういえば、後半にいくにつれて十四松の撃つ量が増えていた。
「一松兄さん、一松兄さん…！ぼくの、負けでいいから……もう、大丈夫だから。そんなふうに謝るのは止めてよ」
「十四松…」
「ぼくずっと、いつも一松兄さんに救われてた…だから、強くなりたくて、一人でもって……だけど、やっぱりぼく駄目だなぁ…一人じゃ、弱くて駄目なんだ」
そんなこと、そんなこと……。
「おれだって、一人じゃ何も出来ないよ。お前がいないと、おれは…だから今回だって、こんなのはおれのわがままで……おれはあい…」
「駄目、僕が言いたい。一松兄さん、ぼくは相棒の兄さんが必要だから。ずっとずっと、二人じゃないと嫌だよ」
十四松は飛び込んできて
「ごめんなさい、一松兄さん…ごめんなさぁあい……！！」
泣きながら謝っていた。
「…っ……いいよ…もう………いいんだ十四松」
おれも、十四松を強く強く抱き締めて、泣いた。
長い長いおれたち二人の喧嘩は、幕を閉じた。
▽作者▽
頑張りました。
汚くならないよう丁寧に書きました。
数字松は解決になります！
もう夢主関係無くなってきましたが、おそ松のところまで待っていてください！！
次は今度材木になりますが……。
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黒羽ひみと(プロフ) - 翠河瑠音@円周松girlさん» いえいえ！最後まで読んで下さりありがとうございます！ (2018年4月21日 8時) (
レス) id: 396f182ce5 (このIDを非表示/違反報告)
翠河瑠音@円周松girl - 黒羽ひみとさん» 最終回凄い良かったです！！作者様、素敵な作品をありがとうございます！！ (2018年4月21日 2時) (レス) id: cb016b237c (このIDを非表示/違反報告)
黒羽ひみと(プロフ) - 蒼桜さん» 続き更新します！ (2018年3月30日 23時) (レス) id: 396f182ce5 (このIDを非表示/違反報告)
蒼桜(プロフ) - 続きがとても気になります!頑張ってください! (2018年3月27日 15時) (レス) id: b570da4317 (このIDを非表示/違反報告)
１３（ひみ）(プロフ) - 榊ノ宮赫夜さん» わぁ、コメントありがとうございます！ゆっくりですが、頑張って更新していきます！ (2018年1月27日 19時) (レス) id: 3cf9f60de1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：１３（ひみ） | 作成日時：2017年11月14日 12時
