左耳のピアス (ページ7)

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episode7 ページ7

成宮

『な、る、み、や先輩♡』

成「……」

『え！無視ですか？！』

試合を終え、学校に帰り軽く走ろうと思っているところで後ろから聞こえた声

ぎゃーぎゃー騒ぐ声を無視して歩く

『ちょっ！ほんとに無視しないでくださいよぉ！』

成「うっさいんだってば！」

試合後の体に響く騒がしさ

成「つかおまえさ！なんで俺に付き纏うの？！」

試合前にカルロにも言ってたけど

成「俺を支えるってなに」

こいつは、かっこいいだとか言ってくるけど

「好き」だとかいう恋愛感情は一切言わない

成「別に、俺に恋愛感情あるわけでもないんでしょ？」

『んー…そうですね』

成「ｯ！」

初めて見た

こいつの、こんなに困ったような笑み

『私は、成宮鳴という投手を支えたい』

『万が一にもあって欲しくないけど』

『その心が折れた時、誰より近くにいたい』

変わらず、困ったように…どこか寂しそうに笑う四条

それでも、その瞳はどこか強い覚悟を感じるもの

『ただ、それだけです！』

『だからもし、どうにもならないくらいに堕ちてしまったときは』

『私のこと、少しでも思い出してくださいね！』

成「……ｯ」

走り去る四条の背中

さっきの笑顔が離れない

成「……璃乃愛？」

どこか姿が重なった

似ても似つかない顔なのに

どうして……

成「どうして……」

思い出すんだろう

…………

苗字四条
お姉ちゃん璃乃愛

です！