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19:こんにちは、育て屋さん ページ20

ポケモン達がたらふく食べるのを見守っていたサトシは、水を貰おうと台所へ向かった。
序盤でビッパ達に注意を飛ばしていた為か、喉が渇いたのだ。
とんとん、とリズム良く包丁の音が聞こえる台所を覗くと、そこにいたのはお婆さんではなかった。
先程から姿が見えないと思っていたら、こんなところにいたのか。
珍しく帽子を脱いでいて、無造作に切られた黒髪がふわふわと跳ねている。


「カイト!」


そう声をかけながら近づくと、カイトはゆっくりと振り返った。


「サトシ」


澄んだ黒い瞳が、柔らかく輝いている。
止まった手は、デザートのフルーツを切っているところだった。


「料理手伝ってたんだな」
「うん。そっちは、みんなもう食べ終わった?」
「ああ。あ、水もらっていいかな?」


お婆さんから場所を教えて貰っていたのだろう、カイトが取り出したコップでサトシは喉を潤した。


「カイトは凄いなあ。あんなにすぐポケモンと打ち解けちゃうんだもんな!あの子守歌もすっごく綺麗だったぜ?」
「…そんなことないよ。僕からしてみれば、サトシ達の方がずっと凄いよ」


その意味を図りかねたサトシが首を傾げて、カイトの顔を覗き込む。


「僕みたいな見ず知らずの人間を助けてくれて、一緒にいてくれた」


視線を合わせずに、俯きがちに答えたカイト。だがサトシは、なんだそんなことかと口角を引き上げる。


「全然凄いことじゃないって!お前と一緒にいたいって俺達が思っただけなんだから。それに、カイトと旅するのすごく楽しいぜ?」


その言葉にカイトの手が再び止まった。
サトシは悪戯っ子の笑みを浮かべたまま、切りたての果物を一つ摘み上げて口に放り込む。
動揺に瞠目したままサトシを見たカイトに、サトシは更に笑った。


「これ、みんなには内緒なっ!」


そろそろお昼だって、みんなに伝えとく!

去り際に告げられた言葉は、カイトの耳には届かなかった。


眩しい笑顔と、純粋な言葉が、頭の中を焦がす。

空気が重く絡み付いて息が苦しい。
背中を壁に預けると、瞼をぎゅっと手の甲で覆った。

20:近くて遠い過去 ▼→←18:こんにちは、育て屋さん



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桜光 - ピカチュウ・・・が崩壊してる(;・д・) (2018年12月28日 21時) (レス) id: c1c7fb77d9 (このIDを非表示/違反報告)
こうもり(プロフ) - さん» 謎を作ってしまい本当にすみませんっ!ずっとミスしたままになるところだったので、とても助かりました!そう言っていただけてとても嬉しいです、ありがとうございます! (2017年1月10日 15時) (レス) id: 2edc5e6d88 (このIDを非表示/違反報告)
- それに、よくある作品のように話の内容もぶっ飛んでなくてしっかりしてるし、文章も上手のようなので……とても好きです!これからも頑張ってください。((突然すみませんでした。 (2017年1月10日 13時) (レス) id: 3c17733505 (このIDを非表示/違反報告)
- あ、いやいや目に余るなんて……貴方の作品は凄いと思っています!そういうことだったんですね。謎が判明して良かったです。 (2017年1月10日 13時) (レス) id: 3c17733505 (このIDを非表示/違反報告)
こうもり(プロフ) - さん» 私も時折見返して変換ミスがないか確認していますが、それでも見落としてしまうことがあります。目に余るようでしたら、何話目にミスがあるのか教えてくださると嬉しいです!出来る限り早く対処させていただきます。ご迷惑をおかけしてすみません。長文失礼致しました。 (2017年1月10日 12時) (レス) id: 2edc5e6d88 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こうもり | 作成日時:2016年7月18日 7時

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