Story.3 ページ4
私が黙っていると、藍染は淡々と私に言葉を紡ぐ。
｢ろくな感情も持っちゃいない、命への執着も価値観も薄い、そんな君がそれでも尸魂界へ居続けたいと願うのは彼らの輝きを羨んでいるからだ。｣
｢...もうやめて｣
｢君が君自身のことを知りたくないがために押し殺して、気づかないようにしてきた本当の感情を知った今、本当に君は尸魂界へ帰れるのかい？｣
｢やめろ！！｣
違う違う違う違う違う。
何が違う？
私は、何がしたい？
もう、分からない。
発狂して叫んで転げ回りたい。
もう、私自身のことが分からない。
思考がうまく回らない。
息がうまくできない。
怖い、怖い、怖い。
こんなに私の感情が恐ろしいと知った。
けれどそんな感情の裏側で私は気づいていた。藍染は今、私を洗脳しようとしているのだ、ということに。
けれど藍染が示した“私自身”は自分でも驚く程に理想的であった。
目の前で大切な人が亡くなるたび...殺される度に、いつも思っていた。
“友を殺した人間を殺してやりたい”と。
それが私に実行できなかったのは、私自身の感情が邪魔をしたからである。
そして同時にこう思うのだ、
“邪魔な人間を殺せる人間になりたい”
“感情など要らない”と。
今、藍染の洗脳にかかったフリをすればそんな腐った理想が両方叶うのではないか。
...そう考えた時に頭の中をふとよぎったのは浦原喜助、その人であった。
私より強くて、頭も良いあの人だったらこんな時どうするだろうかと考えた。
絶対に藍染に乗ったりはしない。
のらりくらりと屁理屈を並べながらヘラヘラ笑っている姿が思い浮かんだ。
...やはり藍染の言う通りかもしれないな。
私が一番失いたくないのは浮竹隊長との、浦原さんとの居場所なのだ。
その為には何もいらない。
他人の幸せも、命も、私自身の感情さえも。
それが、私だ。
...それを認めた今、私の心は驚くほど冷静で、藍染の要求を呑もうと思っていた感情はもはや冷えきっていた。
先程まで感じていた恐怖も感じない。
恐怖の原因も、もうない。
さて、次私がやるべき事は、この世界に関する情報収集と、脱走だ。
ここから逃げるためにも、やっぱり感情は要らないな。
そんなことを考えると少し可笑しくなって、再び、そっと自身の感情に蓋をしたのである。
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近藤。(プロフ) - 明里香さん» 色々教えていただいてありがとうございます。ただ、昔の作品は誤字脱字含めて更新予定ないのでここから先教えて頂かなくて大丈夫です。(今まで教えて貰った箇所は折を見て可能なら修正します。時間が無いので直せなかったらすみません) (7月29日 9時) (
レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 21話、俊光じゃなくて、瞬鬨です。 (7月28日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 20話、俊光じゃなくて、瞬鬨です。 (7月28日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 19話、俊光じゃなくて、瞬鬨です。 (7月28日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 17話、俊光じゃなくて、瞬鬨です。3箇所あります。 (7月28日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：近藤。
| 作成日時：2017年11月11日 13時
