君の視線を奪いたい。【あんスタ】

look at me！ ページ41

｢Aせんせ〜〜〜〜！！｣




勢いよく扉が開かれ、見覚えのあるオレンジ色が飛び込んできた。

そのままの勢いで抱きついてきた彼をしっかりと受け止める。


それが予想外だったらしいスバルくんは目をぱちくりさせた後、再びにこぱっと笑い、私を抱きしめたままぐるぐると回った。






｢えへ〜先生に抱きとめて貰っちゃった〜！！｣

｢えっ！？ま、回る！？回っちゃうの！？｣

｢なっ…！？お、おいこら明星！！女神に気安く抱きつくな！｣

｢う〜ん安定の女神呼びブレないね北斗くん！よければ助けて欲しい！｣






スバルくんに遅れてやってきたTricksterのメンバーに、学院ただひとりのプロデューサーのあんずちゃん。

彼らはなんだか輝いているように見えて、私は思わず目を細める。青春だなぁ。






いつものごとく北斗くんによって私から剥がされたスバルくん。
彼もまたいつものように落ち込んで大人しくなった。



見慣れてしまったお決まりの流れに笑いながら、私は流れたままの音楽を止め、タオルで汗を拭う。







｢先生、何をしてらしたんですか？｣

｢今度のライブに向けてダンスだったり歌だったりの確認ってとこかな〜
アイドル辞めてからあんまりダンスしてたわけじゃないし、体を慣らすためにもね」







別に当時の動きが全くできないわけじゃない。

最近はモデルだったり女優だったりバラエティだったり…以前のような活動はしてないから、なんというか、体を動かした後の反動がすごいのだ。




参っちゃってて、と苦笑しながらそう言えば、視界に突然あんずちゃんが映り込んできた。

さらりと彼女の柔らかそうな髪の毛が揺れる。
彼女の瞳には、目を丸くした私が映っていた。







｢先生、その…私でよければ、プロデュースさせて頂けませんか…！｣

｢え…あ、あんずちゃんが？｣

｢やっぱりダメでしょうか！？先生はすごい人ですし私では力不足ですかね…！？｣

｢そうじゃないよ！？まさか私に声をかけてくれるとは思っても無くて…お願い出来るなら、是非｣

｢っほ、ほんとですか！｣

｢おめでとうあんず〜！！今日は宴だ〜！｣

｢こらスバル暴れるな！｣

｢わっ、急に抱きつかれると危ないよ明星くん！？｣

｢さすがトリスタ、一瞬で賑やかになった｣







後から聞けば、どうやら彼女はずっと私をプロデュースしたかったらしく。

私からしたら思ってもみなかった申し出だったけれど、彼女が着いてくれていれば安心かな、なんて。

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