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笠松センパイはそういうと黒板に大きく"1位部費拡大、2位食堂半年タダ、3位スポドリ5箱"とでかでかと書きながら言う
「最後の大目玉、リレーはとにかく部費拡大を目指す。部費拡大すりゃ夏休みの合宿もいけるし備品新調もできる。
しかし、それはどの部も一緒だ」
笠松はそこで言葉を切ると皆を一瞥して言う。
「………とはいえ俺らはどの部よりも早いし大抵はどうにかなる。が、気をつけねえとならねえ奴らがいる………それはサッカー部とボクシング部だ！！！」
「………妥当だな。サッカー部はともかくボクシング部はやばい。」
「そうだ。ボクシング部はこの高校生粋の体力バカの集まり。個々が早い。極めつけにはアンカーになるであろうゴリラの存在だ」
「えっ！？朱センパイも出るんすか！？」
服を着ていた俺は声を上げた。笠松センパイは腕を前に組みながら言う。
「そういうことだ。通常男子女子と別れているんだが、あのゴリラの所属してんのは正確には"男子ボクシング部"だし、何よりゴリラだから女じゃねえ。
1キロダッシュで見たとおり、実力は相当だ。
それを踏まえて今からリレーに出る6人を決めたい」
笠松がそう言うとリレー出場者の話し合いが始まり、その結果レギュラーである笠松、小堀、森山、早川、中山、補欠クンで足だけは早い田中くん、そして俺になった。唯一あの1キロダッシュで朱センパイに並んだ俺がアンカー。
朱センパイに勇姿を見せるチャンスなのにその人が敵って………………恋愛ドラマじゃ普通その勇姿を見守る立ち位置じゃないすかあの人…………………
黄瀬はもくもくと着替えながらそう思った。
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作者名：O | 作成日時：2021年10月29日 16時
