Call My Name ！ Ⅱ (ページ7)

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「でねー、これが面白いんすよ～………で、………が、でさ～………」

「………………」

　帰り道、いつも通り黄瀬と一緒に歩く。相変わらず黄瀬は軽い調子でなにやらぺちゃくちゃ話してるけど私には半分も理解できないからスルーしてる。もういつものことである。けど今日はちょっと違う。

　なんで、私、黄瀬のことを気にしてしまうんだろう。こうして帰りも一緒どころかいつだって一緒だから？けど最初の頃はこんなこと考えなかったよな。じゃあなんで…………「センパイ！」

「…………ん？」

「ん？じゃないっすよ！まぁ～た聞いてなかったっすよね！もうっ、俺の言葉シカトすんのセンパイぐらいっすよ～！」

「ああ。悪い」

「ツッコミ無し！通常運転！…………と、そうじゃなくて！朱センパイ、球技大会応援団長なんですって？すげー！学ランって聞いたんすけどほんとっすか！？

　俺的にはブカブカな学ラン…………いや、俺のブレザー着てほしいっすね！」

　黄瀬はそう言ってキラキラとした瞳を向けてくる。眩しい。そして煩い。そもそも、

「なんにも凄くない。ただの厄介払いだ。………それより、お前は何に出るんだ」

「おっ！？俺に興味持ってるカンジっすか！？いやー嬉し「いいから言え」ちえーっ、つれないっすね～、バレーっす！」

　バレーか………………それなら私も少しはわかる。絢やってるし。これで応援は………ってだから、なんで私が黄瀬を応援するんだ……………。

「……そうか」

「なんすか？応援してくれるんすか？」

「……………………………」

「ほ、ほんとっすかぁ！？じゃあ俺、頑張っちゃいます！」

　黄瀬はそう言ってにか、と歯を見せて笑う。その度にどき、と胸が脈打つ。ほんと、なんなんだこれ。最近いつもそう。

　いつもニコニコしてるコイツ、けど偶に子供っぽい笑顔になるのだ。それを見る度に胸が苦しくなる。心臓の病気でも抱えてんのか、私。

「……………………思う存分負けろ。骨は拾ってやる」

「ちょ！？不吉なこと言わないでくださいっす………って、ちょっとまって～！」

「とっとと来い」

　そんな会話をしながら、私達はいつも通り並んで帰った。