【黒バス】他部活恋愛【森山由孝】 (ページ1)

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外は雨。部活動時間は三時間。
本番も近くないこの時期は個人練習かパート練習。
クラリネットはほとんどが個人練習だ。

私が練習に吹くのは「人生のメリーゴーランド」という曲。
自分の教室を使っているため稀に観客もいる。
四分音符の長さ、八分音符の軽さ。
全てに意識を注ぎ息を吹き込む。

恐らく私の身体は大きく動いている。
この曲は表現がしやすい曲だ。

最後の音を吹き終わると拍手が。
その主は森山由孝。バスケ部のシューターだという噂は聞いた。

「君は…運命の相手だ！」
そして変人。
いたる女子に声をかけては振られているらしい。
可哀想、というか…。

森山side

忘れ物をして教室に行くととても綺麗な楽器の音色が聴こえた。
気になって覗くと女の子が身体を使って音楽を表現していた。
なんて綺麗なんだろう。
「君は…運命の相手だ！」
気づいていたら口から零れていた。

「そう、ですか」

予想外の反応。いつも女子には無視されるのに。
面白そうに君は笑っている。

「そんなに面白かったかい？」
「ふふ。変わった方ですね。運命、かぁ」
机に座り天井を見上げる君は画になった。
俺は反射的に横に座った。

「俺の事、どう思う？」
「変わった方。でもとっても魅力的ですね」
その言葉は魔法の様に俺の心を掴んだ。

「君が好き」

「ありがとうございます」

「俺は部活に戻るね。また明日も会おうお姫様」
キザだ、なんていわれるかもしれないけど手の甲にキスを残した。

忘れ物、忘れた。