act 191 『遅刻』 ページ32
・
・
・
―――とにかく落ち着くんだ、落ち着けば何とかなる筈。
等と、胸に手を当て、
緊張で早まる鼓動を必死に抑えようとする。
シン「……ヤバいヤバい……大丈夫かな」
とまぁ、今更言った所で、
もう集合場所に来てしまっている訳だし、仕方無いか。
……何が大丈夫かって？
いや、何時も通り赤ジャージだし、
別に服装は気にしちゃいない。
だとしたら何かってそりゃ「デート場所」だろう。
ホワイトデーの時、大分下見はした筈だが、
見落とした箇所もあるかもだ。
……不安だ。あいつが気に入るか、実に不安だ。
「―――し、シンタローッ！！/////」
木陰になっているベンチに座って待っていると、
突如遠くから名前を呼ばれた。
貴「……ご、ごめん……ね、寝坊した……」
シン「き、気にすんなって！
多少待っても、まだまだ時間はあるしよ」
貴「……さ、サンキュ……///」
走ってきたのだろうか、額に薄ら汗を滲ませ、
膝に手を付いてその汗を拭っている。
今日の服装も時間を掛けて選んだのだろう。
何時ものボーイッシュな感じより、
少し女子らしさが増していると言える。
……どれも可愛いから良いんだけど。←
シン「……い、行くかっ！！/////」
貴「わ、分かった/////」
さり気無く手を差し出し、
Aもそれを俯き気味で握り返す。
……あぁ可愛い食べちゃいたい。←
が、今は無理だから、
その「デート場所」の後に家デートでもするか。
「―――へぇ……此処、か」
目の前に立ちはだかる大きい看板を見上げ、
Aはそう呟いた。
電車で約15分程の都会の水族館。
魚に興味があるかは知らないが、
凄い綺麗な場所だと言う事だったし、此処にしたのだ。
シン「……気に入らなかった、か……？」
小さく呟きながらそう言うと、
Aは「そんな事ねぇよ」と微笑んだ。
優しい笑顔。今まで見た事が無い程の。
シン「……サンキュッ……/////」
貴「っ……！！/////ほ、ほら行くぞっ/////」
手を差し出したからまた殴られるかと思ったが、
別にそんな事は無かった。
……まぁデートで相手を殴るなんて滅多に無いか。←
そしてその差し出した手で俺の腕を掴み、
咄嗟に水族館の門を目掛け走り出したのだ。
シン「ちょっ///分かったって///ｗ」
若干苦笑いが混じっているが、
少しは笑顔になれたし、良いのかもしれない。
・
・
・
act 192 『写真』→←act 190 『相談』 【クロハside】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 24人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
貴遥＠カゲプロ、しゃちょー厨(プロフ) - 伸夜さん» 意外すぎるCPが居たりしますよねｗとにかくありがとうございますっ！！ (2015年7月18日 20時) (
レス) id: 5dc01a6eeb (このIDを非表示/違反報告)
伸夜 - クロハとアヤノ…。なんかいいかも…！！(笑) 今っ更ですが完結おめでとうございまぁす！！ (2015年7月18日 19時) (レス) id: 506cf8dd63 (このIDを非表示/違反報告)
貴遥＠カゲプロ、しゃちょー厨(プロフ) - ユリさん» ありがとうございますっ！！また次のも作りますんで…って言うかもう一つ掛け持ちあるんですけどね…ｗ (2015年5月10日 20時) (レス) id: 5dc01a6eeb (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 無事完結、おめでとうございました！お疲れ様です！ (2015年5月10日 20時) (レス) id: 625da81c3f (このIDを非表示/違反報告)
貴遥＠カゲプロ、しゃちょー厨(プロフ) - ばかっぽいどさん» いえいえ！気にしないで下さいっ！！家デート、気に入っていただけましたかね？ｗ…それも出来る限りなんで、こちらこそすいませんが… (2015年4月28日 20時) (レス) id: 5dc01a6eeb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：貴遥＠カゲプロ、しゃちょー厨 | 作成日時：2015年3月8日 12時
