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#102 ページ20

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「Aちゃんはさ、どう思う?」

「…この試合?」

「うん」



そう聞いてきた叶歌に私は笑いかけた。



「また、バレーをしたくなるよ」



きつくて、つらくて、投げ出したくなっているはずなのに。



たかだかボール一つのために、あのコートいっぱいに走り回る。



それが青春だと信じてた。



「選手に戻ろう、とは言わないからさ。またバレーしようよ。」



この試合に感化された元選手はきっと、大勢いる。



「うん。また叶歌とネット挟みたいな」



あのチームで、もう一回試合をしたい。

そして、あのチームと対戦したい。



「…なんか、涙出ちゃうよ」

「なんで?」



叶歌は確かにちょっとだけ、声が震えていた。



「ずっと思ってたから。あのチームが、心からバレーを楽しんでいるところを見たいって」



そう言った叶歌は、私の知っている叶歌じゃなくて、大人な叶歌だった。



「春高明けたら、バレーしよっか」

「うん。約束」



“あの時”も差し出された右手。

当時は逃げるようにその右手に背を向けた。



二年越しだ。

二年越しに私はその右手を握り返す。



「みててね。勝つから」

「逞しくなっちゃってさ」



ふふ、と笑った叶歌を私は見つめた。



「待ってる」

「Aちゃんも逞しくなったよ」

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虹希(プロフ) - 水無月さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!待っていてくださるなんて…!本当にありがとうございます! (2021年8月25日 20時) (レス) id: 6f6e5985a0 (このIDを非表示/違反報告)
虹希(プロフ) - あまねさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!これから単行本を入手し、少しずつ更新していきます…! (2021年8月25日 20時) (レス) id: 6f6e5985a0 (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - 下の方と同じくなんでもっと早く出会わなかったのか後悔しています((更新いつまでも待ってます!!!!応援してるんで!! (2021年8月16日 20時) (レス) id: e283fb9d1f (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 待ってなんでこの神作に早く出会わなかったの?私バカなの?((((喧しいわ (2021年8月15日 14時) (レス) id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
虹希(プロフ) - ハルジオンさん» ちまちま更新再開しようと思います!よろしくお願いします… (2021年2月5日 18時) (レス) id: 522ef85b27 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:虹希 x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年1月24日 8時

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