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大きな背中〈146〉 ページ12

Aside



レフトが打球を捕っている間に

二塁ランナーは三塁を蹴ってホームへ一直線


それを阻止すべく、レフトの麻生先輩は
ホームに好返球した


その返球を受けた一也くんがランナーをタッチアウトしようとした時

巨体投手ランナーはそのままホームに突っ込んで一也くんに体当たりした


吹っ飛ばされ倒れこむ一也くん


A「っ!?……かずやくん!!」

私は思わず立ち上がってしまう


すると一也くんは起き上がり、ボールを入れたミットを上げる


審「アウトぉーー!!」


一也くんは体を張ってホームを死守した

一也くんのプレーに歓声が上がる



よかった…


判定がアウトとなって脱力した私はストンっとまた座席に腰を下ろす


今のクロスプレーは心臓に悪い

一也くん、怪我とかしてないといいけど…



逆転は免れたものの、9回裏の青道の攻撃では得点は得られず

試合は延長戦へ突入した


延長10回表の成孔打線を抑え裏の青道の攻撃


先頭打者の春市くんは惜しくも打ち取られてしまい

1アウト、ノーランナーで回ってきたのは4番の一也くん


私は両手を膝の上で組みギュッと握りこむ


初球アウトコースでボール

2球目、アウトロー一杯のストライク


3球目、スクリューで足元の球を見る一也くん


何だか、一也くんらしくないような…


4球目、インコース胸元に来て少し退く



遠くからだからよく見えないけど

一也くんの様子がおかしい気がする


ボール避けるのも少し遅かったし

まさか、さっきのクロスプレーでどこか怪我したんじゃ……!?



そして5球目再びインコース胸元にボールが放たれた



カキィィーーーンッーー…



一也くんのバットに当たった鋭い打球は空高く上がり得点板の後ろのフェンスに直撃し

サヨナラホームランとなる


そしてワァァアアーーと大歓声が上がる



以前より一也くんの後ろ姿が大きく見えた
と思ったら、涙が溢れそうになってぐっと堪える


そんな私を見て結城先輩は微笑み
何も言わず私の頭をポンッと叩いた


6X −5で青道決勝進出を決め試合は幕を閉じた

宣戦布告〈147〉→←好敵=成長〈145〉



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設定タグ:ダイヤのA , 御幸一也   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:あんず | 作成日時:2014年6月19日 16時

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