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家出 ページ8

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「んん……あれ、俺何して、」

「起きましたか。」

「茨?」



目を擦り、頭にはてなを浮かべている

何があったか覚えていないのか?



「なんか背中痛ぇ……」

「覚えてないんですか?」

「風呂に入ろうとは思ってたはずですけど、その後は全く。」

「風呂に?」



あの時Aが風呂にいたはずだ。
……あぁ、成程。鉢合わせたのか。

背中が痛いという事は背負い投げでもされたのだろうか


何にしろ、Aがあんな反応になるということは服を着ていない状態を見てしまった可能性が高い



「自分少し席を外します。もう少しこちらで休んでてください。」

「すんません、そうします。」



少し離れた殿下の自室へ足を進めた。

ジュンが目を覚ましたのはあれから約30分後だし、あのままあそこにいるというよりかは自室にいると思われる。


頭の中で地図を開きながら角を曲がろうとしたところで、二人の話し声が聞こえ足を止めた。



「……ね、A。」

「………いて。……ど、……」



殿下と、閣下……?
息を潜めながら耳を澄ませる。



「どうしよう、僕のせいだね…」

「日和くん…自分を責めないで。必ず戻ってくるから、ね?」

「でも見つからないって、」

「Aだって頭を冷やしたかったのかもしれないよ」



……A?戻る?

もしかしてこの寒い中外に飛び出したのか


用意されていた自分用の客室へ戻り、羽織りを手に取る。

使用人の一人に、習慣である夜の散歩をしてくると嘘を言い外に出た。



こんな夜更けにどこへ向かったかなんて検討もつかないがただただ、白い息を吐きながら駆け足で薄暗い住宅街を抜ける。





『東軍事施設』




ESビルとは反対側に向かった先に大きな看板がみえた。

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作者名:はなちゃ | 作成日時:2022年10月12日 18時

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