186 秘宝 ページ11
くすくすと笑ったままのAにくだらん事を言うなと突っ込んだスネイプは、その身体をジロジロと眺めた。
「…酷い痩せようだが食事は？」
「さあまともにとったのは二日ま「食べろ。」
ずいっと鼻先に突きつけられた夜食にAは戸惑う。
「ま、まさか、毒が入ってるなんてことは…？」
「ならそれを食べた我輩が生きていたら、貴様のことを公表するが。」
「すみません。」
即謝ったAは早速食事を貰い、ふんっと鼻を鳴らして部屋を出て行くスネイプは出て行ってしまった。
そしてバタンと閉られた扉の音を合図にAは老人を見つめた。
「相変わらず不器用な方ですね、ダンブルドア先生。」
「ああ。」
「先生もお変わりないようで、お久しぶりです。」
「そうじゃのお、A。」
「ええおかげさまで。」
「…だいぶ大変な目に遭っているようじゃな。」
「ええ早く普通に戻りたいですね。」
Aはやれやれと肩を竦め、壁の中の老人を見つめた。
「弟さんに会ってきました。」
「アバーフォーズにか、元気だったか？」
「ええとても元気な方です。
そして私が知らなかったことを、色々教えてもらいました。」
Aはしばしダンブルドアの肖像画を見つめ、ため息を吐いた。
「曽祖母と共に謀っていましたね。」
「何のことかね。」
「一年目のあの時、貴方は私が本当に抱えるべき問題を、ご存知だった。
決定的だったのは三年の時です。
貴方はピーター・ペテグリューの事を何も知らなかった、なのに私が勝手に誤解をしてしまった。
ですが、何故そこまでして私に隠し通そうとしたんですか？
ヴォルデモート卿を止めたいがために、彼を心配するマレリーヌおばあさまに、闇祓いになるように進めた事を、後悔していらっしゃったからですか？
それとも、クラシスの名前の意味すら分かっていない小娘だから、教えなかったのでしょうか？」
「…契約の内容を聞いたのか？」
コクリとAは重々しく頷いた。
「学生時代、呪文が得意でなかったおばあさまに、リドルがおばあさまの目標代わりに杖の上達と、一族の守護を約束したという事なら。
契約は聞けなくても、記憶はたぐれる。
アバーフォーズさんはそうおっしゃっていました。」
Aの灰色の目が青い綺麗な目を見つめていた。
そして青いその目は続けなさいと語っていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 198人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆう - こんなに引き込まれたのは初めてです。内容も構成も素晴らしい小説でした。主人公とドラコのむず痒いようで愛おしい関係に心が温まりました。本当に面白かったです。あなたの物語を読めたことに感激しています。素敵な話をありがとうございました。 (2020年11月20日 23時) (
レス) id: ba6b4fdba7 (このIDを非表示/違反報告)
の - とても読み応えのある作品で、完結まで休みなしで読み終えてしまいました。物語が進んでいく中で、主人公とドラコの関係性が少しずつ変わり、謎も解明されていき、終始どきどきがとまりませんでした。私の拙い言葉では言い表せないくらい、本当にすてきな物語でした。 (2020年10月25日 4時) (レス) id: f5af52d735 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - ナナナさん» 深夜ですか？！ありがとうございます！そこまで言ってもらえるととても嬉しいです(^^)本当にありがとうございます。 (2018年12月5日 7時) (レス) id: 0af6fdad08 (このIDを非表示/違反報告)
ナナナ - 読み始めたら止まらんくて気付いたら夜中の3時まわってた！とても引き込まれました〜とても面白かったです (2018年12月5日 3時) (レス) id: f9de44e996 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - 水素ちゃんさん» こちらこそありがとうございます。始めて書いたハリポタ作品なだけあって、至らぬ点があったにではないかと何度も読み返したあの頃が懐かしいです^ - ^そんな経緯もあってか、真摯なご感想に感激しました。こちらこそ貴方様の様に素敵な読者様に出会えて光栄です。 (2018年6月16日 18時) (レス) id: 2c5d1feb72 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2017年9月21日 23時
