柱の少女は、狙われ体質。参

不死川実弥 ページ25

実弥side









Aは無惨の間合いに飛びこむと、次々と触手を切り落とし、更には背中を削いだ。

有り得ない速さだった。無惨の再生速度をも上回っていた。







しかし、そんな覚醒状態が長く続くはずもなく、Aは右腕を切られ、あっという間に壁にめり込んでいた。






「A!!」






Aは後方に飛ばされ、意識がない。だが、そこは無惨の攻撃範囲内。隠も助けに来れない。

直ぐに移動させなければ攻撃をもろに食らって即死だ。








「馬鹿野郎がァ!!いつもいつも自分の身を省みない特攻ばっかしてんじゃねェ!!見てる方は心臓持たねェんだよ!!」









俺はすぐにAを抱きかかえて建物の裏に控えている隠に処置を命じた。









「今すぐ右腕止血しろォ。一度縫った脇腹の傷も開いてる。絶対にコイツ死なせるんじゃねぇぞお前らァ。」


「は、はい！す、すぐに処置を!!」







呼吸で止血できてりゃ、すぐには死なないはずだ。大体、そう簡単に死んでもらっちゃ困るんだよ。

まだ言わなきゃならないことが山程あるからな。









＿＿＿＿＿＿









血鬼術の札や増援で望みが見えてきた。このまま夜明けまで持ち堪えられるんじゃないかと。






だが、無惨の衝撃波の攻撃に皆やられた。俺も壁まで吹き飛ばされ、頭を打ち付けて意識を失った。









クソ、こんなところじゃ終われないのに。

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