柱の少女は、狙われ体質。参

目の前の敵 ページ13

ある程度まで落下したところで私は着地した。数え切れないほどの鬼がいる。しかも力は下弦程度。

『宙の呼吸 参の型 流星の舞』

私は次々と現れる鬼を斬りながら走る。この状況だと私一人で上弦の鬼のところへ……無惨のところへ行くしかない。



雑魚鬼を数十体倒してながら進むと、強い鬼の気配を感じる。間違いなく上弦……けれど童磨や猗窩座よりは強くない。

気配の方向へ、鎹鴉に導かれて進んでいると、またもや足場が無くなった。





受け身を取り着地した目の前には、上弦の伍が立っていた。

上弦の伍……それは無一郎くんが倒したはず。もう補充されたのか。確かに瞳にその数字が刻まれた鬼はゆっくりと私に近づいてくる。





「君が宙柱、蒼天Aかぁ。僕の名前は海雲(かいうん)。Aに会えて嬉しいよ。だって君を半殺しにしてあの御方に差し上げれば僕はさらに血を頂けるもんね。」

『半殺し？以前の上弦の伍が殺されて穴埋めで入っただけなのに随分と余裕だね。上弦に入れてもらえて舞い上がっちゃってるの？哀れだねぇ。』

「違うよ。僕は前からあの御方に力を認められていたからね。獪岳などとは違う、僕はちゃんと強い、ちゃんと特別なんだ。だから君は僕に勝てない。」





『それはやってみないと分からない。

宙の呼吸 壱の型 宙流天運!!』




私は海雲と名乗った鬼の間合いに入り、片腕を切り落とした。しかしやはり上弦なだけあって再生速度がかなり早くもう腕が再生している。



「おぉ、思ったより速いんだね。君と戦えて嬉しい!!楽しいよ!!

血鬼術 海波のうねり!!」






何この血鬼術、とんでもなく間合いが広い。まるで波に飲まれるよう。これじゃあどこへ避けても攻撃を喰らうだろう。刀でできるだけ攻撃を受け流すしか……

『……ッ!!』



致命傷はない。けれど体のあちこちを傷つけられた。この攻撃を受け続けたら失血死する。

ならば、この技を出させなければいいだけ

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