決戦の幕開け ページ12
「緊急招集ッ!!緊急招集ーッ!!産屋敷邸襲撃ィ!!」
『っ…………!』
私は夜の道を全速力で駆けた。速く、一刻も速くお館様の元へ行かなきゃ。お願い間に合って!
お屋敷の前まで来て少し安堵したその直後、
ドォォォン
私は爆風で後方に吹き飛ばされた。お屋敷が丸ごと爆発したのだ。
焼失した屋敷の跡に血鬼術で固定された鬼舞辻無惨。お館様……お館様と御家族は、あの爆発で……
『お館様ぁぁぁ!!』
私達は一斉に無惨へと攻撃をしかける。
『宙の呼吸 伍の型 羅天…………』
技を出す途中で足元がすくわれた。地面が無くなったのだ。これは無限城への入口だ。柱と炭治郎は皆、無限城へと落ちて行った。
下へと落ちる最中、私はぼーっとしていた。お館様は先刻の爆発で本当に逝ってしまわれたのだろうか。だとすれば、それは自爆だったのかもしれない。
お館様……。お館様はずっと私の心を支えて下さっていた。
私が成り行きで育ての元で修行し鬼殺隊へ入ってまもない頃、お館様に初めて会った。
『私は鬼殺隊に入る資格がありません。兄妹を殺したのは鬼じゃない、私だから……鬼が憎くないんです。』
「Aは優しい子だから、兄妹が亡くなったのは自分のせいだと思って責めてしまうんだね。Aは悪くないよ、なぜならその時のことを後悔しているだろう?しかし、私がそう言ってもAは納得しないだろうね。」
『…………。』
「ならば、何のために鬼を斬るのか……その理由を見つけられるまでは、兄妹への償いとして鬼を斬ってはくれないかい?そうすればいつか、Aならきちんと自分で理由を見つけられるはずだよ。』
お館様はこんな私を必要としてくれた。兄妹を見殺しにした私が罪の意識から逃れられずに苦しんでいた時、欲しい言葉をくれた。
それからはその言葉の通り、鬼を斬っていた。けど、いつしか私は鬼を斬る理由を見つけていた。
死んでいく仲間を見て、怒りが湧いた。平気で大量に人を殺して喰った童磨や猗窩座を憎いと思った。
何より、もう鬼のせいで辛い思いをする人を出さないために……私は命を懸けて鬼を滅すると決めたんだ。
前世のこと、私が麗だったことは関係ない。今世で私の大切なものを沢山奪った鬼舞辻無惨を許さない。
絶対に私が無惨を地獄へ落としてあげる。
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ゆりなんぽん - あぁもうハラハラします!せめて、夢主だけでも幸せになって! (2020年6月6日 18時) (レス) id: 3ac698d03c (このIDを非表示/違反報告)
日向鬼@低浮上(プロフ) - 好き好き好き好き好き好き好き好き好き((頑張ってください!最後二人には幸せになってもらいたい…!! (2020年6月1日 22時) (レス) id: 98b52071c9 (このIDを非表示/違反報告)
なな - もう!不死川くんキュンキュンしちゃうわ!(蜜璃ちゃん風)実弥の落ちが好きになる…! (2020年4月26日 9時) (レス) id: 0166b3d8d2 (このIDを非表示/違反報告)
なるは。(プロフ) - コメントありがとうございます!個々に返信できなくてすみません……でも本当に応援のコメントが励みになっているんです。もう感謝しかないです……これからもこの作品をよろしくお願いします! (2020年4月23日 19時) (レス) id: 091bffa261 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 続編おめでとうございます!!とーってーっも面白いので、応援してます!! (2020年4月20日 14時) (レス) id: 0166b3d8d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なるは。 | 作成日時:2020年4月16日 10時