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第参章 被告人アリス__チェシャ猫 ページ30

「そ、そう、なんだ…?ご、ごめん、気遣わせちゃって…」

もしかしたらおそ松兄さんに似た違う人かもしれない。
そう思うことにする。

だって、兄さんが話せないなんて、ありえないから。



…まぁそれと同じくらい六つ子と同じ顔の人がいるのもありえないんだけどさ。


トド松とトト子ちゃんみたいに、多分人は同じでも名前はきっと違うのだろう。


「あの…変なこと聞いてもいい?」


兄さん(?)は再度うなずく。



「えーと………………、僕たち、知り合い……………かな?」


こんなことを聞くのは失礼だとわかっているけど、僕には記憶が無い。

それに、おそ松兄さんだという確証もない。

「……!」


おそ松兄さんもどき(失礼)は一瞬目を見開いた。
そして、その後ゆっくりうなずいた。



「そっか、やっぱり……。
あの、失礼なこと言って気分を悪くさせたらごめん。
でも…、僕今、記憶がないみたいで…。

君のこと、何でか兄さんだって思っちゃう」


こうやって問いかけてくれたということは少なからず見知った仲だとはわかったいたんだけど…。

突然「記憶がない」なんて…。変な奴って思われただろうか。



兄さんもどきは、僕がうつむいているのを見て、またノートに文字を書きだした。



『俺は、チェシャ猫』

「チェシャ猫」

『そう。お前の…多分友達って言っていい関係。
お前の、兄さんではねぇよ。人違いじゃねえか?』


「友達………」


2人目だ、記憶の無い友達。
さっきの裁判で検事に言われた「白ウサギ」、そして「チェシャ猫」。

白ウサギはわからないけど、今まで会った皆、僕の幼馴染みや兄弟と同じ外見をしていた。


「そっか…、失礼なこと聞いてごめん」


『何だよ、お前らしくもないな。記憶が無いなら仕方ないだろ?
俺でよかったら話聞くぜ?』

「あ…ありがとう」

これおそ松兄さんじゃないわ。
こんな「おそ松兄さんマジ兄さん!」みたいな感じじゃなかった(失礼)。


でも、訳の分からない事だらけの現状で、
話を聞いてくれる存在というのは僕にとってありがたかった。



『じゃあ、今度ハーゲン○ッツ奢れよな!』


前言撤回。
これ、おそ松兄さんだ。

幕間→←第参章 被告人アリス__ノートと鉛筆



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如月慧音花(プロフ) - ひぇ、ありがたいお言葉…!ありがとうございます、頑張ります…! (2020年11月19日 15時) (レス) id: e44a9745ad (このIDを非表示/違反報告)
抹茶 - ずっと待ってますよ! (2020年11月12日 0時) (レス) id: 5aab78de35 (このIDを非表示/違反報告)
如月慧音花(プロフ) - 僥姫さん» 更新できてなくて本当に申し訳ないです。受験勉強がある上に今はこのお話を書くモチベーションが上がらなくて…。本当に申し訳ないとは思っているのですが、待っていただけると嬉しいです (2020年6月24日 17時) (レス) id: dbf5a4fb19 (このIDを非表示/違反報告)
僥姫 - 続きは何処に? (2020年6月24日 12時) (レス) id: b3f17b46d5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:如月慧音花 | 作成日時:2019年12月1日 17時

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