じゃあ私はもう要らないね。【おそ松さん】

要らない２２ ページ26

あなたside




ｻﾞｧｧｧｧｧｯ

前より酷くなった雨が、私の体に打ち付ける



あ「つべたい......」

これは風邪引くかも。


でも、逆に好都合だ

だから私はゆっくりゆっくり帰った



道行く人は大急ぎで走っていく

そしてそんな中、私はゆっくり歩く変な奴


なんて皆に認識されてるんだろうな

と心の中で勝手に思った






恥ずかしさなんてない。

まず他人に興味がない。


あ「.......ﾊｧ」


もうため息が癖になってしまったように次々と出てくる




ボチャンボチャン



私が地面を歩く度に、水の音が聞こえる

私は立ち止まって下を向く


私がたっている所には雨は落ちてない

まぁ、私の影になっているからな。

水溜りには波紋が広がっていっていた



そして

私は水溜りに映る自分の顔を


ﾊﾞｼｬﾝｯ


勢いよく踏み潰して再び歩き出した



あ「あー、ひねくれてんなぁ私」

ポッケに手を突っ込んで道のど真ん中を歩く


ここは滅多に車が通らないからな。

とても清々しい気分になる






.







しばらく歩けば見慣れた家を発見

あ「もう家に着いたのかよ、」


まだ中に入りたくない気持ちと

外にいても周りの視線がうざいから中に入りたい気持ちが混ざり合ってとても気持ちが悪い



あ「仕方ない。入るか」

ここは腹を括って家に入ることにした





あ「.......た、だいま。」


？「おかえりｯ！A！」



普段なら言われない言葉に私はバッと下げていた頭を上げた

あ「おねえ、ちゃん」



私の姿を見てお姉ちゃんはギョッとした顔をして「どうしたのそんなにぐしょぐしょになっちゃって！」と肩をがしっと掴んできた


あ「大丈夫だって。何も無いよ」

お姉ちゃんの手を払って部屋に行こうとした


今は一人でいたい。

そんな気分だった


ト「もぅ！だめよ！風邪引くじゃない！私、心配してるんだからね？」

腕を掴まれ私はそのままお姉ちゃんにお風呂に直行させられた



でも嫌な気はしなかった。

あ「.........ありがとう。」



心配してくれる人がいるのって、いいなぁ。

なんて思った


と共に、自分には与えられなかった愛情を貰っていたお姉ちゃんを羨ましく思った



これは別に嫉妬ではない。




....

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