36.万一 ページ36
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「樹ィー、トーナメント表見せて」
「はい!鳴さん」
試合終了後、バスの中で、後ろに座った樹にむけて手を伸ばす。
紙を受け取ると、探すのはまず自分のチーム。
さーてさて、あいつんとこは………………
「珍しいな、」
「んー?」
隣に座る雅さん(デカイ)が俺に話しかけてくる。
いつも通り、でかくて、暑苦しくて、真面目で、
そんでもって、頼りがいのある俺の相棒。
「お前が他のチームに興味持つなんて」
「野郎に興味はないよ、女の子にあるんです♡」
ニコリと笑うと、けっと雅さんは窓の方に向き直った。
………………へぇ、面白くなってきたじゃん、
ベスト16に入ってるし、
次の相手はあの市大三高。
薬師高校、ねぇ。
「…………そのマグレ勝ちがいつまで続くかな」
「うるせぇぞ、鳴」
「雅さんに言ってませーん」
万が一にでも市大三高に勝てば、次は一也とやるんじゃん、
どっち応援するつもり?
一也を追っかけるのはやめた、Aさん?
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作者名:すた | 作者ホームページ:
作成日時:2015年12月6日 0時