37.宣戦 ページ37
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「市大三高は、ノックを始めてください」
アナウンスが流れる。
続いて聞こえるのは、白いメガホンから放たれる、
ものすごい声援。
「三高ーーー!!」
「真中ーー!!!」
「大前ーー!!!」
「市大三高ーー!!!」
観客席を、鼻歌混じりに歩いていると、
すぐに見つかる青い集団。
ベスト8を決めたあのチームを見ていると、
一番後ろの席に、メガネの似合うすてきなイケメン。
彼の隣に座る子達が騒ぎだす。
「…ん?薬師の4番…………あれなんて読むんだ?」
肩をアイシングしたその男の子。
たしか、さっき明川戦で投げてた子だ。
「車が3つ………………車が……3つ……………
三輪車かっ?!」
『とどろき だよ』
「?!」
アイシングの男の子が、バッと後ろを振り返る。
「だ、誰ですかあんた……」
「その制服は…」
後ろに立っていた先輩らしき人が、
私の方を見てハッとする。
「こんなとこ来るとはずいぶん余裕だな?望月」
ニヤッと笑って一也が聞く。
私も合わせてニッと笑った。
『だって、勝つのはうちだもん』
「!!」
『一也に宣戦布告、しに来た』
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作者名:すた | 作者ホームページ:
作成日時:2015年12月6日 0時