03.川辺 ページ3
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薬師高校から走って数分。
橋の下の河原に、昼間っから、見知った親子の姿があった。
『あ、いたーーーーー!!!』
「ん?…でけえ声出すんじゃねーよ昼間っから」
「カハハハハハ!!!カハハハハハ!!!」
『雷市の声の方がよっぽどでかいんですけど』
草むらの下り坂を、ほいさほいさと駆け抜けて、
絵に書いたような おっさんの寝転がり方 をするこの人の前に立つと、私はすうと息を吸った。
『話が違うじゃないですか!!!!』
「パンツ見えるぞ」
『変態親父!!紺パン履いてますから!!!』
叫び声に、ようやく雷市が私の存在に気づく。
「モッチー!!!」
『変わんないねー!雷市!!』
金のなる木。
大きく重たいバットを軽々と持ち上げながら、
雷市がバンザイしながら走ってきた。
「モッチーも高校生か!!」
『そうだよ!中学生の雷市とは違うんだからね!』
「身長は変わらねぇけどなぁ…」
『雷蔵さんは黙っててください』
一つ年下の男の子、轟雷市くん。
「初めてあったのが…えっと…俺が中2の時だから…」
『もうすぐ1年経つね』
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作者名:すた | 作者ホームページ:
作成日時:2015年12月6日 0時