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『ただいまぁ…』
誰もいないとわかっているものの、虚夜宮に居た頃の癖で呟いてしまう
「おかえり…随分と遅かったじゃねえか」
『……え、何でいるの』
うわ、びっくりした…浦原喜助との戦闘で疲れてるんだから、勘弁してよねぇ…
グリ「クク、つれねぇこと言うなよ」
「突然すまないな」
『…は、ハリベル様っ!?』
え、えっ?…ほんとに何で?…え??
予想外の訪問客に驚きすぎて口が塞がらない
ハリ「愛染様に"暫く自由にして良い"との指示をいただいた…それをAに伝えに来たのだが、コイツが着いて来てしまってな…」
グリ「あんだよ、別に良いだろ」
『そうなのですね…ハリベル様、態々ありがとうございます…あ!友人にいただいたチョコレート菓子がありますので、お茶しませんか?』
愛染様からの指示を、ご自身で伝えに来て下さるなんて…やはりハリベル様はお優しい…
僕もハリベル様のように優しくて強い破面に成りたいなぁ…優しく思う心が無いけど
グリ「…俺が来る時と態度違いすぎるだろ」
『うるさい、黙って座ってよねぇ』
ハリ「相変わらず仲が良いな」
………え?
『ちがっ!仲良くないです…!!』
グリ「コイツなんかと仲良いだァ!?」
『ハリベル様、誤解です!僕がこんな野蛮な奴と仲良くなるなんて有り得ません!!』
グリ「誰が野蛮だ!テメェみてえな小賢しい腹黒野郎なんざこっちから願い下げだ!!」
誰が小賢しい腹黒野郎だって?…って、ハリベル様の前でこんな奴と言い争うなんて…僕まで野蛮に思われてしまう…!
ハリ「…そうか、すまないな」
『い、いえ!誰しも間違いは有りますので…それより、このチョコレート菓子どうですか?』
ハリ「ああ、とても美味しいな…アパッチ達の為に少し持って帰っても良いだろうか…?」
どのような時にも従属官の為を思う…まさに破面の鑑…流石ハリベル様だなぁ
『勿論です!…あ、宜しければリリネット達にも渡していただけますか?』
ハリ「わかった、渡しておこう」
『有り難うございます!』
この間のカステラも、リリネットに大好評だったから…甘い食べ物は好きなんじゃないかな
…美味しいっていう感覚は僕にもあるから、僕にわかる物で喜んでくれると良いなぁ
ハリ「さて、そろそろ私は虚圏へ戻るよ……また来ても良いだろうか」
『お気を付けて…いつでもいらして下さい』
ハリ「あぁ、改めて連絡する…グリムジョー、あまりAに迷惑を掛けるなよ」
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作者名:胡麻 | 作成日時:2020年4月21日 1時