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●絶対排他的ラブコメ領域__2 ページ6

「A。そんなとこに突っ立ってないでヨ、お昼まだなんでショ」

「……それは正直神経疑うわ、逆先」


まるで親の仇でも見るような目でAはボクを睨みつけてくる。そんなに恨みのこもった視線を送られるほど大それた悪事は働いていないと思うのだけど。

刃物のように突き刺さってくる眼差しを気にも留めず、ボクは言葉を続ける。


「勘違いしてるみたいだけド、ボクは他人の幼気な恋心を踏み荒らすほど性悪じゃないからネ?別にこれ以上揶揄うつもりはないシ、ボクが悪かったから機嫌直してヨ」

「や、あの……な、なんで逆先が謝んの?ただ私が自分のこと消化できてないだけだし、えっと……ほんと、なんかごめん」


さっきまでのしかめっ面はどこへやら、ボクが遠回しに謝っただけでもこの慌てようだ。

とはいえ、ボクもここまで焦る彼女を見るのは今日が初めてだ。恋とはこんなに人を狂わすものなのか、と少し畏怖さえ感じる。


「あーもう、私ばっか意地っ張りみたいでほんとやだ……虚無虚無プリン……」

「どさくさに紛れてパワーワード言わないでヨ」

「パワーワードの一つや二つ言っとかなきゃやってらんないんですぅ」


彼女は気が抜けたようにすとんと自分の席に座り、鞄からフルーツサンドを取り出した。ビニール袋の擦れる音が閑散とした教室に響く。『新作』という安っぽいラベルの貼られた包装を乱雑に破くと、無表情にそれを口にした。


「美味しイ?」

「普通。クリームがぬるいから減点」


そんな辛口評価をしておきながら彼女はぱくぱくとフルーツサンドを食べ進め、あっという間に完食してしまった。確か昨日も一昨日も別のフルーツサンドを食べていた気がする。


「コンビニのサンドイッチで一番うまいのフルーツサンドとハムエッグだよね、逆先もそう思うでしょ?」

「ボクは別にしょっちゅう食べるわけじゃないシ」


それで満腹になるのかどうかは疑問だが、その点に関してはボクがどうこう言えたことではない。彼女がそれで満たされるのなら、それでいいんだろう、きっと。

昨夜の誤爆から、早14時間。時の流れはあまりに早く、そして彼女の機嫌の持ち直しようはもっと早かった。


「……ごめん。ありがと、逆先」

「どういたしましテ、って言えたことでもないけどネ」


その呟きの真意は、ボクにすら解らない。

けれどそれはきっとブラックボックスであり、蓋を開けたら一呑みにされてしまうパンドラの匣でもあったのだろう。

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月華 - 好きです。失礼しました (2020年9月19日 17時) (レス) id: 561e3188bf (このIDを非表示/違反報告)
浅ヶ巳 - 瀬名さん» ありがとうございます!!!!!これからも精進していきますね!!!!! (2020年9月10日 20時) (レス) id: 86116bbd22 (このIDを非表示/違反報告)
瀬名 - 好きです! (2020年9月7日 23時) (レス) id: 86245055db (このIDを非表示/違反報告)
浅ヶ巳 - sakuyah1226さん» わーー!!!!ありがとうございます!!!自己管理も更新もがんばります!!!!! (2020年9月7日 19時) (レス) id: 86116bbd22 (このIDを非表示/違反報告)
浅ヶ巳 - るるさん» ありがとうございます!!、!これからも更新頑張ります!!!!! (2020年9月7日 19時) (レス) id: 86116bbd22 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:浅ヶ巳 | 作成日時:2020年8月28日 21時

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