彼女の化けの皮は剥がせない (ページ35)

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ため息からページ35

カナエ: ………はぁ、

月山家の広い庭で聞こえる小さなため息

彼女の顔を見てしまってから

カナエは考え事ばかり

マツマエ: 最近何かなさいましたか？

心配するマツマエ

カナエ: マツマエ、すまない

下を向き首を振る

マツマエ: お気をつめすぎませんように、習様が

マツマエの言葉をさえぎるように

カナエ: マツマエ…ありがとう

1人にしてほしいというようにカナエは庭から去って行った

その様子を見送ったマツマエが電話を手にした

マツマエ: ………………もしもし

きっとマツマエとカナエの考えてることは違う

庭を出た後カナエは彼女に初めて声をかけられた場所に来ていた

カナエ: …いない。

それに時間帯も同じで

人もその時と同じように沢山いた

彼女らしき人はどこにもいない

カナエは人を待つようにして立っていた

どこを見渡しても彼女はいない

やはり……

そう思った時見たことあるような後ろ姿が

カナエは急いで追いかけその人の腕を掴んだ

カナエ: まてっ

が

？: なんですか、触らないで下さい

人違いだった

カナエ: ……。おまえじゃない。

そういうとカナエはその人の腕を突き放した

？: …は？

カナエ: おまえ、

彼女の名前を知ってるか聞こうとしたが

そういえば名を聞いていない

？: 忙しいので失礼します。

カナエ: あぁ。

カナエは落ち着いてまた考えはじめた