第百三十話 ページ37
貴『はぁ...』
窓の外に見える青空を、ベッドの上から眺める。
それと同時に、昨日のことを思い出してしまい、憂鬱なため息がこぼれた。
昨日の夜。
まさか御幸が来るとは思いもしなかったし、何よりアイツの前で泣いてしまった。
この間はみんなの前だったが、それとこれとは訳が違う。
それに...。
私はキュッと心臓部分の服を掴んだ。
御幸のことを考えると、心臓がうるさくなる。
前にも言ったが、私は自分の気持ちに気付けないほど鈍感ではない。
私はただ認めたくなくて、自覚したくなくて否定し続けていただけ。
その時から、もう勝負は決まっていたのだ。
...私が、御幸に落ちたから。
いや、多分違う。
私は賭けをする前から、既に御幸に負けていた。
きっと、私がマスクで登校していた時に、
御幸に気付かれて心配された時から、ずっと。
改めて自覚すると案外自分自身納得するものだ。
しかし...。
貴『...どうしよう』
賭けの期間は秋大が終わるまでだったが、それ以前に秋大すら始まっていない。
自分から言うのも、なんだが自ら「負けました」と言っているようで嫌だ。
本当、何故私がアイツのことでこんなに頭を悩ませなければならない...。
看「相川Aさん。手術の準備が整いましたので、今から手術室へ移動しますよ」
そこに、看護師さんが入ってきた。
それで麻酔をうち、少しして私は目を閉じた。
・
目を覚ませば、青かった空は夕焼け空へ移っていた。
腕の包帯を少し取って見れば、しっかり傷が縫われている。
これまでずっと放置だったので、自分の皮膚にこんな太めの糸が通っていると思うと、
なんだか不思議な気分になった。
看「あっ、よかった」
コンコンとドアがノックされ返事をすると、こんな声が聞こえて、
さっきの看護師さんが入ってきた。
夕食が乗ったワゴンを引いている。
看「食欲ありますか?」
貴『...いえ、あまり』
ワゴンに乗っている夕食の量を見て、食べられないと思った私はそう言った。
すると、私が食べられる量まで減らしてくれた。
上半身を起こして食べながら、看護師さんと少し話をする。
なんでも、最近この病院に来たばかりで、
看護師の中では一番年下で、私と歳が近いらしい。
それもあってか、私の高校生活が気になるようで、
私は夕食を食べ終えてから話すことにした。
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桜餅(プロフ) - 葵さん» ありがとうございます!学校から課題が送られてきて昼間はあまり更新出来そうにないんですが、頑張って更新します!提出物出してないせいで退学になりたくないので← (2020年5月10日 22時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 桜餅さん» 笑笑退学。笑笑笑とても面白いです笑続き?の話?笑笑待ってます!! (2020年5月10日 21時) (レス) id: 069bca8089 (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - 葵さん» 退学は駄目だぁぁ!!いや退部もお話的に駄目だけども!!←(メメタァ...)自分の間違いなのに地味に笑いましたw教えてくださりありがとうございました! (2020年5月6日 23時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - とても面白いです!百一話の、退部届けが、退学届になってます笑笑だいぶ意味が変わると思います笑笑頑張ってください!!!! (2020年5月6日 16時) (レス) id: 8fdb0203bc (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - スピカさん» あらやだ(?)ありがとうございます!←気付かない間に400人も...読者様達には感謝しかないです:(T-T):おっと目から塩水が...← (2020年4月19日 0時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜餅 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.pnp/sakuramoti
作成日時:2019年10月30日 0時