第百六話 ページ13
母「こんな弱いチームで野球なんか続けて、何になるの!!」
母のその言葉を聞いて、私はこれまでで感じたことのない怒りを覚えた。
私は痛む身体に力を入れて、上半身だけ起き上がらせた。
そして、私を見下ろしている母に向かって、
貴『何も知らない奴が...みんなの努力を否定するなっ...!!』
そう声を張り上げ、思い切り睨んだ。
母「なっ...!?」
母が驚くのも無理はない。
私は今まで、どんなに痛め付けられようが、何も反論しなかったことはなかったからだ。
けど、今回は声を上げずにはいられなかった。
貴『このチームは弱くなんかない...甲子園に懸ける思いは、どこのチームより強い!
たくさん練習して、努力してる!ただ結果にこだわってる奴に、
そんなみんなの思いを、努力を、踏みにじる資格はない!!』
母「このっ...言わせておけば...!」
プルプルと怒りで肩を震わせていた母が右腕を上げた。
私は衝撃を耐える為に目をつぶった。
しかし、いくらなっても痛みや衝撃は来なかった。
恐る恐る目を開けると____
貴『...御、幸...?』
御幸が、母の腕を掴んでいた。
御「ここは、アンタみたいな人が来ていい場所じゃない。
練習の邪魔をするなら、早く帰ってください」
母「チッ...!」
母は舌打ちすると、カツカツとヒールを鳴らして出て行った。
すると、目の前にスッと手を出された。
倉「立てるか?」
貴『倉持...』
私はハッと我に帰り、倉持の手を借りずに立ち上がろうとした。
しかし、御幸が右手を、倉持が左手を強制的に取って私を立ち上がらせた。
御「お前な...こういう時くらい頼れよ」
倉「ほら、早く手当てしてもらって来い」
『別に大した怪我じゃない』と言おうとしたけど、高島先生に連行された。
医務室行き、蹴られたお腹を見た先生は息を飲んだ。
私のお腹には、今日の痣だけでなく、これまでに受けてきたものの傷痕も多く残っている
ほとんどは薄くなって来ているが、まだ肉眼でも見えるレベルだ。
高「...こんなに...」
貴『もう痛みはないので、大丈夫です』
痛々しいと言わんばかりに顔を歪める先生。
高「取り合えず、歩けるってことは、内臓には何も影響はないわね」
先生はそう言って、痣になっている部分に湿布を貼り、包帯を巻いてくれた。
その間もずっと、先生は悲しそうな顔をしていた。
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桜餅(プロフ) - 葵さん» ありがとうございます!学校から課題が送られてきて昼間はあまり更新出来そうにないんですが、頑張って更新します!提出物出してないせいで退学になりたくないので← (2020年5月10日 22時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 桜餅さん» 笑笑退学。笑笑笑とても面白いです笑続き?の話?笑笑待ってます!! (2020年5月10日 21時) (レス) id: 069bca8089 (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - 葵さん» 退学は駄目だぁぁ!!いや退部もお話的に駄目だけども!!←(メメタァ...)自分の間違いなのに地味に笑いましたw教えてくださりありがとうございました! (2020年5月6日 23時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - とても面白いです!百一話の、退部届けが、退学届になってます笑笑だいぶ意味が変わると思います笑笑頑張ってください!!!! (2020年5月6日 16時) (レス) id: 8fdb0203bc (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - スピカさん» あらやだ(?)ありがとうございます!←気付かない間に400人も...読者様達には感謝しかないです:(T-T):おっと目から塩水が...← (2020年4月19日 0時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜餅 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.pnp/sakuramoti
作成日時:2019年10月30日 0時