朔間零が血を嫌う理由【朔間零】

理由11 ページ11

「吸血鬼ヤロー！俺様の相手をしやがれ！


……って、寝てんのかよ！？」



わんちゃんの煩い声で目を覚ました
寝起きの頭に吠えるような声はあまり良くない



『んむ……？今、何時？』



携帯の液晶画面を見てみると７時14分という無機質な文字。

嘘！７時過ぎてる！？



ガタガタと棺桶の蓋を揺らしてみるが重くてびくともしない。

困ったな……



隣からはすぅすぅと、寝息が聞こえるし…



はっ？寝息？



『わんちゃぁぁぁあああああん!!!!!』



「うぉ？Aの声か？っるせぇ!!!!」



ダンッと、大きな音が響き、乱雑に棺桶の蓋が開けられる



『わ、わんちゃん……』



「A、なんで吸血鬼ヤローと一緒に寝てんだ？」



『それは、こっちが聞きたいよ……』



だって昨日ソファで寝るって言ってたじゃん？



改めて先輩のことを見るとほんとに顔が整ってるなと思う。


うわっ、まつ毛長っ！


透き通るような白い肌に吸い込まれそうな黒い髪



これは、世の中の女の子がキャーキャー言うのも分かる気がする



羨ましいなぁ……



「そんなに我輩のことが気になるのか、照れるのぅ」



起きてたしっ！



『先輩、狸寝入りですか？』



「いいや？どこかの嬢ちゃんとは違って狸寝入りなどしておらんよ？
我輩はさっき起きてそれから寝てるふりをしていただけじゃ」



『それを狸寝入りというんです！』



「あー、A？遅刻すんぞ？」



わんちゃんに言われて、時間のことを思い出した。



『あ、やば！クラス行かないと！

ってことで先輩さようなら！』



髪の毛が少し乱れてるけど手ぐしで整えて、ダッシュ



間にあわないぃぃい!!!!!!

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