二話 ページ3
貴方side
《 よろしくおねがいします 》
私はお兄ちゃんに貰ったボードに挨拶を書いて軽く会釈をした
───知らない人が私をみてる。
その事実だけで吐きそうになるのをグッと堪える。
隼人「大丈夫か?A」
『!』
心配そうに顔を覗くお兄ちゃんを安心させる為に微笑んでみせると、
お兄ちゃんもつられて笑顔になった。
…………何だか、心が暖かい。
?「あるじさんばっかりズルい!
ねぇねぇ、ボクとも遊ぼ?」
?「僕とも遊んでください!」
僕も、俺も、と元気よく手をあげる小さい子たち。
かなりの人数の対応に困っていると、
お兄ちゃんが「俺の妹を困らせんなよ〜?」と言って小さい子たちの頭を撫でた。
?「あ〜ズルい!ねぇ主!俺も撫でて!!」
?「主!僕も!」
隼人「はは、仕方ねぇな〜!」
赤の人と青の人、他にも色んな人がお兄ちゃんの側へ駆け寄って頭を撫でてもらったりしている。
みんななんの憂いもない笑顔で笑っていて、
それでいて
・
____とても幸せそうだった。
・
・
・
ああ、何だか心が寒い。
結局あの幸せそうな空間に耐えきれなくなった私は、気付いたら大広間から抜け出していた。
理由は些かはっきりしない。
ドクドクと鼓動がうるさく鳴り響き、どうしようもなく胸が締め付けられるような感覚に陥った。
『(…………あぁっ、いたい、いたいよ、)』
ねぇっ、
__「なぁっ!おれはっ………!……おれは、どうしたらよかったんだ……?」
__「……かくめいに『ぎせい』はつきものですから」
__「あそこに愛はなかった。ただ…、それだけだね。」
どうして?
痛くて苦しい青春ならいらなかったのに
大好きなきみの涙なんてみたくなかったのに
優しいきみが傷つくところなんて
みたくなかったのに………。
・
・
きみを傷つける言葉なんていらない
きみを救えない言葉なんていらない
私を肯定するだけの言葉なんていらない
なんて"言葉"を嫌っていたら
………いつからだったかな
あまり覚えてないんだけど
・
・
いつからか、言葉が話せなくなっていたんだ。
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みるくてぃー(プロフ) - rikoさん» ありがとうございます!更新頑張りますッ!!! (2023年1月5日 20時) (レス) id: 4a169714af (このIDを非表示/違反報告)
riko(プロフ) - めっちゃ好きな作品で、何度も見返してます❗更新頑張ってください(o^-')b ! (2023年1月5日 20時) (レス) @page22 id: ed069a7070 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるくてぃー | 作成日時:2023年1月2日 22時