9枠*到着 ページ11
何だかんだありつつ、バルバットに到着した。
正直、船内での記憶は二日酔いで寝込んでいた事くらいしかない。
後から聞いた話では、部屋までジャーファルが運び、その上看病までしてくれていたとか。
また恩が増えてしまったな、なんて申し訳なく思う反面、わざわざ看病してくれていたのが嬉しかった。
少しばかり謎なのは、申し訳なさよりも嬉しさが勝っていたということなのだが、この理由はヤムライハやピスティにでも聞くことにしよう。
・
バルバットを観光しつつ、シンドバッド達と宿泊先へ向かう。
王が、
「折角だから少しは楽しもうじゃないか、昔みたいにな」
なんて仰るから、お言葉に甘えることにした。
ジャーファルは何かあったときが心配なのだろう、あまり乗り気ではなかったが。
歩きながら、私はほんの少し昔のことを思い出していた。
……昔はシンさんって呼んでいたんだっけな、あの頃は必死に役に立てるように商会で働いて、勉強も教わって____。
「Aさん、大丈夫っスか」
ハッとして声のする方に顔を向ければ、私の顔を覗き込むマスルールがいた。
「えっ……?あぁ、大丈夫だよ、心配かけてごめんね」
つい、ぼうっとしてしまっていたようだ。
あまり思い出したくないことを思い出してしまった。
忘れたいけれど、決して忘れてはいけない記憶。
__何かあったんスか。
__少し、昔のことを思い出してて、ね。
__………そっスか。
そんな会話をしているうちに宿泊先へ着き、思い出してしまった記憶をしまい込むように私は眠りについた。
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夢の番人 - とても面白い話しです!見てて好きだなーって思いました!!これからも頑張ってください!応援してます! (2017年2月23日 21時) (レス) id: 94468bca56 (このIDを非表示/違反報告)
れんげ(プロフ) - あまおうさん» 初めまして!ありがとうございます!そういっていただけると、とても励みになります…!これからも頑張ります! (2017年1月19日 21時) (レス) id: 79895c30ee (このIDを非表示/違反報告)
あまおう - あと、初作品なのに地雷踏んでなかったり、わかりやすくてさすがだと思います!笑 このまま是非更新してください!! (2017年1月18日 19時) (レス) id: 85dee18d4e (このIDを非表示/違反報告)
あまおう - いいですね! 設定がとても好きです! 応援しているので、これからも頑張ってください!! (2017年1月18日 19時) (レス) id: 85dee18d4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れんげ | 作成日時:2017年1月12日 0時