雨上がり ページ26
まだまだ降やむ気配のない雨の中茨を探す
駅、広場、行きつけのカフェ
至る所を回って見るも茨は見当たらず髪に滴る水とぐっしょりと濡れてしまった服が肌にくっつくのも気にせずに走り回る
『茨……っ』
こんな雨の中外に放り出されて震えていないだろうか、怖くはないだろうか
もはや茨を心配することしか頭に無かった
息を切らして、いつもの何倍も走った
何度も何度も転びそうになった
ただただ。今は辛そうな茨の傍に行きたかった
そうだ、茨と英智とよく遊びに行っていたあおうみ公園。
何となくそこに茨がいる気がして
勘ではあるけど確信でもあった
思った通り雨の当たらない公園の休憩所に見慣れた顔が見えた
『茨』
茨「…なんの用ですか姉さん。そんなずぶ濡れで……今更怒りが沸いて仕返しにでもしに来ましたか？」
先程は乾いた笑いをしていた茨は今度は力なく笑った
まるで迷子の子供みたいだった
『あのね、茨。私は茨のお姉ちゃんです。家族です』
いきなり告げた言葉に彼は唖然としていた
茨「いきなりなんです……自分はもう破門して……」
『それでも！茨は私の家族です！……確かに私は茨の生まれも知ってた。救いたかった。多分これは偽善だった……けど』
『今までしてきた事は全部私の気持ちでしたことです！私がしたいことを茨にしただけです！
茨は紛れもなく私の弟です！最初が偽善でも、
私の気持ちの全てが、思い出が偽善だったことにはならないよね』
だから……その…
あぁ、ここで言葉に詰まるだなんてなんて締りが悪い。大事なときに言葉がでない
だめだなぁ
そう思った
……そう思っていた
茨「姉さんは全く……これだからすぐに傷つくのですよ」
降ったのはあまりにも優しい声色だった
茨「私も、暫く頭を冷やした
そしてその言葉で気付かされました。姉さんは一度だって自分の事なんか後回しで、利益関係なく、
勝手に同情して勝手に傷ついて勝手に癒して勝手に優しくして……そんな方であります」
やっと薄くなった雲の切れ目から日が差した
『私……そんな風に見えてた…？』
茨「えぇ、だからこそ。愛しいんですだからこそ弟になったんです」
そこには冷たい雨の面影はなく
眩しい程の晴天が広がっていた。
『茨……さぁ、帰ろう？私達の家へ』
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なんてこったパンナコッタ(プロフ) - とっても面白くて大好きです！！更新よろしくお願いします！！ (7月17日 21時) (
レス) @page42 id: 505aaafbd1 (このIDを非表示/違反報告)
涼花(プロフ) - あの、本当に大好きです。救済して下さるなんて本当に最高すぎます…!!救済にエンカウント(？)が個人的に大好きなので、この作品に出会えて嬉しいです。続き楽しみに待っています。 (2021年4月1日 0時) (レス) id: 9dcc6e947e (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 楽しく読ませてもらいました。新章楽しみに待っています！ (2020年6月22日 19時) (レス) id: 06551de58a (このIDを非表示/違反報告)
なな - とても面白いお話ですね！ 更新待ってますd(≧ω≦*) (2020年5月11日 22時) (レス) id: 123c4fa31c (このIDを非表示/違反報告)
アニメ大好き！九喇嘛朱雀♪ - 面白いです！茨くん好きなので嬉しかったです！ありがとうございます！更新頑張ってください！応援しております！ (2020年4月19日 17時) (レス) id: cca3220680 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すぴねる | 作成日時：2020年3月25日 21時
