棘の言葉の雨 ページ25
パシン
頬を叩く音が響いた
茨「っ…都合が悪くなれば力ずくですか。さすが暴君」
茨は叩かれた頬を手で抑え、キッと、それでも悲しそうに英智を睨みつけた
『茨……！』
茨「触らないでください！」
初めての明らかな拒絶。もはや彼はゲームの中のキャラクターなどでは無かった。家族だった。
そんな人に向けられた拒絶と、棘のある言葉は何より心に刺さった
英智「……君が僕をなんと言おうと構わないけれどね。僕は姉さんを傷つける様な言葉だけは許せないんだ。」
そう言い放ち冷たい目で茨を見下ろす彼は皇帝さながらだった
茨に言われた言葉[偽善者]
それがただただ頭でこだまして
耳から離れなくてどうしようも無い気持ちで何も出来ずに私は呆然と立ち尽くすしか無かった
いや、私が無力過ぎたのかもしれない。
彼を救うにも、心も、立場も
偽善者。確かに登場人物の救済。とは言うけれどそれは私からみたこうなら幸せなんじゃないかという浅はかな考えで
勝手に人を不幸だとか可哀想だとか決めつけて勝手に同情していただけ
たしかに、そうだ
私は何をしたかったのだろうか。何を救いたかったのだろうか。
雨がふる
しょっぱい雨が
英智「…七種茨。君は今日から破門だよ。早急に出ていきなさい」
茨「姉さ…っ……えぇ！出ていきますよ！喜んで！それでは！敬礼！」
鳴き出す雨宿りの鳥の声が
土砂降りの水の音が
鳴り出した雷の音が
重いドアの音が
その時だけはやけにうるさく聞こえた
英智「姉さん。泣かないで」
ぎゅっと身体に暖かさが加わる
英智「姉さんは偽善者なんかじゃないだろう？」
違うの。私は確かに全てを楽観してただけのプレイヤー気分だったの
英智「姉さん、僕の目を見て。」
ぱっとみた英智の目はとても優しい。慈愛に満ちた色だった
英智「僕は姉さんを偽善者だなんて思わない。人間は正直なんだ。日頃の言葉は本心出なくちゃ易々とでてこないさ。姉さんの気持ちは本当に空っぽだったのかい？」
そうとだけ言うと英智は
あとは姉さんの好きなようにするんだ。気持ちのままにね。
と告げて私の髪を撫でて退出した
『……追いかけなきゃ』
私は傘もささずに視界の悪い雨の中へ飛び出した
---ｷﾘﾄﾘ線---
このお話は実は作品を作り出してすぐから書いて見たかった話でしたので、ノリノリで書けました
こういうの良くないですか？笑
リクエストが後回しになってしまった方には申し訳ありません！
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なんてこったパンナコッタ(プロフ) - とっても面白くて大好きです！！更新よろしくお願いします！！ (7月17日 21時) (
レス) @page42 id: 505aaafbd1 (このIDを非表示/違反報告)
涼花(プロフ) - あの、本当に大好きです。救済して下さるなんて本当に最高すぎます…!!救済にエンカウント(？)が個人的に大好きなので、この作品に出会えて嬉しいです。続き楽しみに待っています。 (2021年4月1日 0時) (レス) id: 9dcc6e947e (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 楽しく読ませてもらいました。新章楽しみに待っています！ (2020年6月22日 19時) (レス) id: 06551de58a (このIDを非表示/違反報告)
なな - とても面白いお話ですね！ 更新待ってますd(≧ω≦*) (2020年5月11日 22時) (レス) id: 123c4fa31c (このIDを非表示/違反報告)
アニメ大好き！九喇嘛朱雀♪ - 面白いです！茨くん好きなので嬉しかったです！ありがとうございます！更新頑張ってください！応援しております！ (2020年4月19日 17時) (レス) id: cca3220680 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すぴねる | 作成日時：2020年3月25日 21時
