76話 ページ31
歓声が終わると、今度は“うちは”はまだかという文句が飛び交う。
「皆様！次の試合の受験者が現在ここに到着しておりません。よって…この試合は後回し、次の試合を先に始めていくことにしました！」
観客の文句は、止むが今度はザワつきを見せる。
「では、次の組み合わせカンクロウと油女シノ…下へ！」
だが、その言葉に返された答えは予想外の物だった。
カンクロウ「……俺は棄権する！」
周りが、驚く中試合場へテマリが扇子に乗って降りてくる。
シカマルもまた、違った形で上から降りてきた…と言うより“落ちてきた”の方が正しいのだが。
シカマルのやる気のなさが伝わったのか観客席から、またも文句が飛び交う。
結局、やる気マンマンのテマリの攻撃から試合が始まった。
シカマル「まいった…ギブアップ！」
シカマルとテマリの試合は、途中テマリが圧していたがナルトの空けた穴から仕掛けた影縛りで、シカマルの勝利に見えたがシカマルのチャクラ切れのギブアップによってテマリの勝利となった。
恐らく、中忍に一番近いのはシカマルだろう。
それほどにシカマルの知能と戦略はそこらの下忍よりも頭一つ、飛び抜けていた。
あれほどに、シカマルとテマリの試合に夢中だった観客達はうちは、うちはと騒ぎ出す。
A「…チッ、うっさいなぁ。」
一人、観客にイラついているとナルトがこちらに気付きいたらしく手を降ってきた。
ナルトの方へ向かえば、嬉しそうにニコニコしている。
ナルト「Aのねーちゃん！」
A「あぁ、ナルトさっきの試合はスゴかったよ…お疲れ様。あとシカマル君もね。」
ナルトと一緒にいたシカマルにも声をかけると、少し照れ臭そうにお礼を言った。
ナルト「……あのさ！あのさ！サスケってば来るよな！？」
A「サスケは来るよ。それに…サスケに修行をつけてた誰かさんは、遅刻ばっかでしょ？」
それもそうだってばよ！と笑うナルト達の目の前で、突然木の葉が舞う。
そこから、出てきたのは、
「名は？」
試験管が、問う。
「＿＿うちはサスケ。」
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作者名：エビ猫 | 作成日時：2018年7月9日 19時
