【コノハ】メカクシ団は狂ってしまいました【カゲプロ裏切り】 (ページ25)

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第七十一話『過去の記憶』過去編ページ25

A「…ッー…」

リノと一緒にトラックに轢かれた私。

A「ここは…?」

そこは真っ暗な空間だった。
私の周りには何もなく、私ただ一人だけが立っていた。

ああ…きっと死んだんだ。
まだ小学生なのになぁ…でも私が死んで悲しむ人なんていない。

お母さんとお父さんが生きてたら……

…駄目だ、二人はもういない。
この世にはもういない。

私は死ぬ時も独りぼっち…か。

A「違う。」

独りぼっちなんかじゃない。
リノも一緒だ。

そう、リノも一緒。

「ようこそ、我が胎内へ。」

A「誰…っ!?」

突然、背後から男の人の声が聞こえ振り返った。
すると、そこには黒を基調とした変わった服の男の人が両手を広げ立っていた。

「まぁまぁ、そう焦らずに。…私は「目が冴える」蛇、とでも言っときましょうか。」

その人は片手をお腹に添えお辞儀をした。

「主は不在中の為、私が貴方様に説明をしましょうか…A。」

A「ど、どうして私の名前を…っ!?」

「知っていますとも、一人の少女の為に命を落とす無様な姿。」

A「っ…」

一人の少女とは、きっとリノの事だろう。
私には段々と怒りが込み上げてきた。

この人の言い方はいちいちムカつく。

「そんな怖い顔すんなよ」

A「なっ…!?」

その人は突然、口調を変えクスクスと喉奥で笑っていた。

「俺の名前はクロハ。…お前にプレゼントを用意したぞ、A。」

A「だからなんで私の名前を・・!」

クロハ「そんなのどうだっていいだろ。」

A「よくないし…!」

クロハ「はいはい、お遊びはここまでにして。…お前はあそこまでしてあいつを助けたかったのか?」

A「あ、当たり前じゃんっ…私のたった一人の友達なの。」

クロハ「へぇ…まだあいつが生きてたら助けてやりたいか?」

A「・・・っ」

私はこくりと縦に首を動かした。

クロハ「じゃあ、お前にチャンスを与える。」

A「チャンス…?」

クロハ「ああ、受け取れ。」

その時、私の目に激しい激痛が襲った。

A「っ…目が…痛いッ…!」

クロハ「蛇が目覚めるまでにはまだ相当時間が掛かる。…そいつが目覚める頃にはそいつを救う事ができる。」

そして、私は気を失った。