【あんスタ】NightTime-Parade!!【短編集】

三瀬川／月永レオ ページ11

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「 ごめん、なさい 」

何故そんな声色で涙を流したのか、何故君がそんな辛そうな顔をしたのか、その理由もわからないのだから、寧ろ自分が馬鹿なんじゃないかと思ってしまう。

何故謝る時だけ敬語なのか、わからないままで酸素だけを掴んだ手を下ろした。自分の目線より少しだけ高くて、涙を拭う度に震える頭を抱えることなんて出来なかったから、さ。

そりゃ、リーダーであることの苦悩だなんて私にはわからない。音符が書けなくなることだってわからなかったし、大事な腕が折れた時の感情だなんて理解できない。【 理解できない 】を重ねすぎたから、一緒に地球を一周しても埋められないほどの距離を走ってきてしまったのは無意識だった。

負けたから、ごめんなさい、だって？
笑わせるなよ。
だって私は、ただ 凡人であるゆえの溝 を埋めたかっただけなんだ。だって、私は、

「 謝られるようなこと、された覚えなんかないの 」

________馬鹿だなぁ、って、やっぱりその頭を抱えることにした。なんだかいつもと違う匂いがする、って思ったのは、涙のフレグランスの所為だったのかもしれない。


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海だって空だって、近くで見れば青くないんだ。

絵では青く描かれたりする涙も、川だって青くなんかないんだ。

それでも、こんなにも近くにいるのに、青いんだなぁって、そう思った。
なんだか変な言い方になるかもしれないけれど、勿論いい意味で。

ほら、君はこんなにも純粋で、ミネラルウォーターみたいな、あぁ、なんだか変な表現になってしまったから止めにしよう。

「 ありがとう 」

「 何、が？ 」

「 なんだろうね 」

ばいばい、れおくん


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________あの時泣いたあいつはどこに行ったのだろうかと、目を細めて探し始めるほどに元気になって帰ってくるものだから、しばらくは突っ撥ねて素直に言葉を伝えることすら忘れていたような気がする。

「 なあ、なあ！Aー？おれの話聞いてる？ 」

「 …聞いてない 」

「 えぇ〜、じゃあもう一回話す！ 」

「 何なんだお前は 」

「 おれ？おれはな、音楽会の巨匠… 」

「 ごめんて突っ込んだ私が悪かった時間は有限ですから早く話して 」

ふぅん、と面白くなさそうな顔で告げた彼は息をつく。アナウンスと共に漂ってきたのはカンカンカンとやけに耳に響く音で、踏切が閉まる前にと線路の上を駆けた。

「 なあ 」

ねえ、そんな所に立ち止まっていたら轢かれてしまうよ。

「 とりかえばや物語って知ってる？ 」

だから、さあ。こちらの世界に連れ戻そうと細い指を握った。

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