噂/2(side創) ページ13
ニナさんがAさんに斬られた、という噂を聞いたのは、登校してすぐだった。
クラスメイト数人が話しているのを、ぼくは信じられなくて、ニナさんが登校してくるのをビクビクしながら待っていた。
だって、Aさんがそんなことするはずがない。確かにかわった人だけれど、人を傷つけるようなことはしない、明るくて向日葵みたいな優しい人なんですから。
でも。肩口から二の腕までにぐるぐると白い包帯を巻いて登校してきたニナさんを見て、危うくぼくは卒倒しそうになった。友也くんが支えてくれなかったら、ぼくは倒れていたかもしれません。
「椎名、その怪我」
口を開けない僕の代わりに、友也くんが聞く。すると、ニナさんは怯えたような顔をして、それから、無理に笑顔を作ってみせた。
「私が……Aちゃんを、怒らせちゃったみたい。昨日呼び出されて、斬られちゃって……ううん、怒らせた私が悪いの。だから、心配しないでね」
ほわん、と慈愛に満ちた笑顔を浮かべるニナさん。その笑顔は、嘘をついているようには思えない。
なら、本当にAさんが？
首を振り、その考えを打ち消す。ただの偶然かもしれない。たまたま、もっていた刃物がニナさんにあたっただけかもしれない。
ぼくは、無理に自分を納得させようとした。けれど、その日の体育の時間の終了後。泣きながら、ビリビリに破かれた制服を抱えて、体操服姿のニナさんが教室に戻ってきた。
「着替えようとしたら、制服がきられてて……一体、誰がこんなこと、」
すすり泣くニナさんを見て、誰かがつぶやいた。
「もしかして、A……」
違う。否定しようとしたけれど、声が出ない。代わりに机を叩いたのは、鉄虎くんだった。
「Aは、そんなことする人じゃないッスよ！大体、昨日の噂に乗じた誰かの仕業、ってこともあるかもしれないッス」
「……私もAちゃんのこと、信じたかった。けど、あの更衣室を使ってるのは、私と、Aちゃんと、2年の先輩だけ。それに……私の制服の側に、これが」
震える手でニナさんが差し出したのは、いつもAさんが腕につけているヘアゴム。特徴的なデザインだから、間違えようもない。
「なんで、なんで……Aちゃんのこと、大好きだったのにぃ……っ！！」
泣き崩れるニナさんに、皆がかけよる。それでも、僕の足は動かなかった。
彼女の言葉が、信じられない。本人に聞きたいけれど、怖い。
そうだ、に〜ちゃんなら、何か知っているでしょうか？
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紅茶が凍っちゃった - 今28話なんですけど、アスターの花言葉に信じる恋っていうのがあって死ぬかと思いました… (2022年12月30日 12時) (
レス) @page28 id: 4e52f11739 (このIDを非表示/違反報告)
ミー(プロフ) - まだ途中ですが、leaderと草食べるのところで盛大に笑ってしまいましたwww最高ですもう、アメイジングさらっと言っちゃう主人公ちゃんも面白いですwww (2017年8月14日 2時) (レス) id: 9cb245a304 (このIDを非表示/違反報告)
もっちり兎(プロフ) - チベットスナギツネで検索かけてしばらく爆笑してました。面白くて、大好きです！(この小説がです！) (2017年6月12日 22時) (レス) id: e54c16753f (このIDを非表示/違反報告)
まめだいふくもち(プロフ) - 匿名さん» ご指摘、誠にありがとうございます。つきましては、お手数をおかけしますが改悪だと感じられる箇所をお教えいただけると変更しやすいので、お教えくださると幸いです。 (2017年6月10日 21時) (レス) id: 8f73a5bd97 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 二次創作の裏切りはキャラの改悪につながり、原作のイメージダウンとなりうる可能性があります。なので作品のパスワード保護、または改悪部分の変更、又は作品の削除をお勧めします (2017年6月10日 19時) (レス) id: 41b9136f09 (このIDを非表示/違反報告)
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