第３２話 ページ34
よほど、いい思い出だったのか、夜風も満面の笑みをしている。
「その幼馴染、足速かったんですよー。すっごい。」
「へぇ……」
そこで、忍足は、夜風に聞いた。
その、幼馴染の事を。
「その幼馴染、男子？」
「はい、男子ですよ。」
「ふー……ん。」
忍足の表情が、どんどん険しくなっていくのに、夜風は、気づかなかった。
返事をするトーンさえも、落ちてきている。
「もしかして、その幼馴染の事、好きやったりする？」
「もちろん、好きですよ。今までも、これからも……」
――そう、親友として。好き。大好き。
そう思うと、だんだん、心が曇っていった。
――大好き。好き。忘れない。大好き。大好き。
「……でも、」
心なしか、声が震えてきていた。
目からは、涙が、ボロボロとこぼれていく。
「いなくなっちゃいました。……突然、いなくなっちゃいました。」
突然、どこかに消えた幼馴染。
急に、隣の家から、いなくなった幼馴染。
すると、ふっと忍足に抱き寄せられた。
スルリ、と手から傘が落ちる。
「お、したり先輩……？」
さらに、腕に力が入り、強く抱きしめられた。
「A……」
耳元でささやかれた声に、顔が赤くなる。
……が。
「離せぇえい！！」
「え！？」
ついでに顔面パンチ。
「馬鹿ですか先輩は！！せっかく拭いたのに、また濡れたじゃないですか！！」
「あ、ごべんばさい」
頬が腫れた忍足を、怒鳴りつけたのだった。
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真琴 - 紗絢さん» 読んでくださりありがとうございます！！更新頑張ります！(v^∀°) (2015年4月8日 21時) (
レス) id: 86ff961fd7 (このIDを非表示/違反報告)
紗絢 - めちゃ×2面白いですね！続きが気になります！更新頑張ってください( ^ω^ ) (2015年4月7日 19時) (レス) id: a438011908 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真琴 x他1人 | 作成日時：2015年4月4日 21時
