貴様らとっくに両想いだからな！？[２]【天祥院英智】 (ページ31)

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－You Side－

＿＿「じゃあ、その役割は僕が喜んで引き受けるよ」

「……えっ。英智くんが？？」

『なっっ……とっ、突然なにを言ってるのえいちくん！？！？』

流石に無理もない。先程とは打って変わって、英智くんの爆弾発言に慌てふためく私。

学院戻るときめっちゃ気まず……なんて先の事で悩んでいる場合じゃなかった。

当の本人は、自分が何を言ったのか分かっていないような……いいやそんなわけはないんだろうけど、シレッとしていて。

「告白したっていうのに、Aちゃんはいつまで経っても返事をくれないし……？」

「押しても引いてもダメなら、再度押すしかないよね？」

あんずちゃんが『会長は考えてることが読めない』なんて言うのも、今は分かる。

「え、どうして英智くんはAちゃんの手を取ってるのっ？
なんでっ、ねぇジュンくん？？」

「ちょっとおひいさん…………あぁもう。

折角のムードブチ壊すと悪いんで、オレらは学園に戻りますねぇ？」

『ちょ、えぇっ……』

「邪魔しちゃ悪いし、みんな先に学院戻ろう！ねっ？」

続々と私たちから離れる周りの人たち。
何でか知らないけど、変に気を遣われているような……。

気付けば、私と英智くんだけが取り残されていた。

『…………いつ、押してた？ ……引いてた？』

今聞くべきことはそれじゃない。
でも、一先ず目の前の疑問から解決していきたかった。

『押すとか引くとか、初耳すぎるし……。我ながら鈍感では無いと思うんだけど』

「うん。ご自身の言う通り、Aちゃんは鈍感では無いと思うよ」

『…………、』

次の言葉が思い浮かばない。今までにない状況だからか、初心に帰ったような気分になる。

「……嘘じゃないよ。
僕が君を恋情として好きなのも、日々君の気を引こうとしていたのも」

何だかこういう時だけ、不思議と体が熱くならないのは何故だろうか。
困惑しているのは勿論だけれど、どっちかというと冷静で。

『英智くんが、私の気を引こうとしてたっていうのは気付かなかったけど……。

でも、英智くんといる時は本当に楽しい、です』

「……ありがとう。それは僕も、おんなじだよ」

お互いに想いが通じあっていて、良かったな、嬉しいな、って爆発しそう。

恥ずかしさから、目線を合わせられないのは少々仕方のないことだけれど、
その代わりに英智くんの手を優しく握る。

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