貴様らとっくに両想いだからな！？[２]【天祥院英智】 (ページ30)

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－You Side－

「うんん、名残惜しいね～っ」

「……さっきっから“ソレ”ばっかり。
おひいさんがそんなだから、いつまで経ってもお別れできねぇってのに……？」

「さびしいものはさびしいんだから、仕方ないんだねっ！」

何故か自慢げに腕を組む日和と、それをヤレヤレという目で見上げるジュン。

そんな2人が妙に懐かしくて、つい笑みがこぼれる。

「……そういえばAさん、本当に大丈夫だったんすかぁ？」

「あ、そうそうっ！ライブ中に、ウチの制服を着た生徒がきみに近付いていってたんだね」

『2人ともしつこいなぁ？ちゃんと追っ払ったってば』

口先だけならどうとでも言えるけれど、こればかりは嘘じゃない。
……暑い中長袖パーカー着て、フードまで被ってたのに。

「っていうかさ～、」

「謎に包まれすぎじゃない？カグラ先輩って！」

「ちょ、スバルっ？それ本人の前で言うことじゃないだろ」

さっきまで日和の愛犬、メアリちゃんを興味津々そうに眺めていたTrickstar。

その子たちにも話の内容は耳に入っていたらしく、その場ですくっと立ち上がった明星くんが言葉を発してきた。

「そんなこと言って、サリ～だって気になってるくせに！

おひ～さんたちとも、妙に仲良いっぽいじゃん！」

「はいはい、そこまでだねスバルくん！

Aちゃんをむやみに詮索するのはやめてあげてねっ！」

『日和、』

それ以上は言わせないとでも言うように、パンパンと手を叩く音。

すると日和は、空気を変えるように咳払いをする。

「……だから、たとえAちゃんが追い払ったと言えど、また同じようなことが起きちゃったらぼく、心配でならないんだね」

本当にそう思ってんの？と疑うくらいに、わざとらしく目元の涙を拭うような造作を見せられる。

信じようとはしてくれているみたいだけど、完全に、とまではいかないか。

「誰か、Aちゃんを危険から守ってくれるひとがいればなんだけどね……」

なんだそれ、と途方に暮れそうになったのも束の間。

「じゃあ、その役割は僕が喜んで引き受けるよ」

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