検索窓
今日:5 hit、昨日:14 hit、合計:67,571 hit

017 ページ18



A side







「予選で負けんなよ!」







何事もなかったかのように黒子くん達にそう告げ、歩いていく。








『…何してんの、離してよ』


「…ごめん」







それは何に対してのごめんなのか、私にはよくわからなくて。







「俺のせいで……赤くなっちゃってるし」







そう言って彼は私の頬を撫でた。

優しく、腫れ物を触るかのようにして。







『…黄瀬くんのせいじゃないでしょ、どう考えても』


「俺の女って勘違いされたから殴られたんスよ?」


『それはすっごく心外だけど』








中学の頃だってまともに話したことないのに。

高校入って同じチームだと知ってでさえも全然関わって来なかったのに。







「家まで送る。どこ?」


『あっちだけど…送んなくていいし』


「もうすぐ日暮れるし、女の子1人じゃ危ないでしょ」


『私のこと女の子だって思ってないでしょ、嫌いな奴家に送るほど暇なの?』


「…はは、まぁ。嫌いだったけど」








嫌いだった、



という過去形の言葉に疑問を持ち。








「…さすがに申し訳なくなったっていうか……その、今までずっと。ごめん」







急な謝罪に、驚きを隠せず。








『………私も、ごめん』







なぜか勢いで私まで謝ってしまった。








018→←016



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (33 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
168人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:愛璃珠 | 作成日時:2021年8月7日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。