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三十八 ページ8

「晴れて高専の2年になれたものだが、君の実力を試させてもらう」




そう言われ、連れてこられた廃病院




そびえ立つさびた建物に漂う陰気臭い雰囲気




「君の実力を見るためにも、悟と傑も着いていく」



だがお前らは絶対に手出しするんじゃないぞと先生は彼らに言う




「私と硝子は外で帳を出して待っている、怪我をしたら治してもらえ」




硝子が車によっかかりながらヒラヒラと手を振ってきた





「本当に危ういと思った時は助けろ」



先生が悟と傑にそういうと「わかったよ」と気だるそうに言いながらポケットに手を突っ込んで歩き出す悟


「私たちのことは気にしなくていいからね」とにっこりしながらいう傑





そんな彼らに着いていき、病院の中に足を踏み入れた














「軽い3級くらいが数匹いるみたいだね」

「はぁ〜、くそざこ、さっさと祓って帰れよお前」

「お前じゃないよ、私にはAっていう名前があるの」




長い廊下を2人のでかい男を引き連れて歩く


「ちゃんと名前よんで」と私が悟に促すと、彼はピクリとなにかに反応し、「......わぁったよ」と少し寂しそうに言った




やっぱり悟は私のことをよく知っているのだろうか



「そういえばAの術式を見たことはなかったね」

「私の術式は血を媒体とするやつ、物理攻撃もできるけど....」





ドカンッッ!!!!






話している途中に横の壁が壊される





「.....まあ、見せた方がはやいか」




砂埃が舞いあがる中、姿を表した呪霊は




「....人?」





「あ".....た.....たたただだだ、ず........げげ、、で」





ちがうな



言語もある程度話せるようだがちがう




「人間ではないね、どうやら人型の"呪霊"のようだよ」

「どういうこと、3級くらいじゃないの?」

「この呪力量だと、1級はあるだろ」





だからさっきからいた4級呪霊共が襲ってこなかったわけだ



「おい」

「なに?」

「いけるか」



悟がそう私に問うてくる



「何言ってんの、やるしかないでしょ」




ピッと小さく自分の指に切り口を入れる






たらりと垂れてきた血




ーー赤血操術・改「紅糸」ーー





血液を凝固させ、しなやかにしなる鞭のような形状に変えたもの




液体故に何度切られても修復可能、それに伸縮、変幻自在の紅い糸






「知ってた?液体って時には金属よりも鋭利になる時があるの」

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作者名:ホウ酸 | 作成日時:2020年12月27日 17時

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