三十八 ページ8
「晴れて高専の2年になれたものだが、君の実力を試させてもらう」
そう言われ、連れてこられた廃病院
そびえ立つさびた建物に漂う陰気臭い雰囲気
「君の実力を見るためにも、悟と傑も着いていく」
だがお前らは絶対に手出しするんじゃないぞと先生は彼らに言う
「私と硝子は外で帳を出して待っている、怪我をしたら治してもらえ」
硝子が車によっかかりながらヒラヒラと手を振ってきた
「本当に危ういと思った時は助けろ」
先生が悟と傑にそういうと「わかったよ」と気だるそうに言いながらポケットに手を突っ込んで歩き出す悟
「私たちのことは気にしなくていいからね」とにっこりしながらいう傑
そんな彼らに着いていき、病院の中に足を踏み入れた
◇
「軽い3級くらいが数匹いるみたいだね」
「はぁ〜、くそざこ、さっさと祓って帰れよお前」
「お前じゃないよ、私にはAっていう名前があるの」
長い廊下を2人のでかい男を引き連れて歩く
「ちゃんと名前よんで」と私が悟に促すと、彼はピクリとなにかに反応し、「......わぁったよ」と少し寂しそうに言った
やっぱり悟は私のことをよく知っているのだろうか
「そういえばAの術式を見たことはなかったね」
「私の術式は血を媒体とするやつ、物理攻撃もできるけど....」
ドカンッッ!!!!
話している途中に横の壁が壊される
「.....まあ、見せた方がはやいか」
砂埃が舞いあがる中、姿を表した呪霊は
「....人?」
「あ".....た.....たたただだだ、ず........げげ、、で」
ちがうな
言語もある程度話せるようだがちがう
「人間ではないね、どうやら人型の"呪霊"のようだよ」
「どういうこと、3級くらいじゃないの?」
「この呪力量だと、1級はあるだろ」
だからさっきからいた4級呪霊共が襲ってこなかったわけだ
「おい」
「なに?」
「いけるか」
悟がそう私に問うてくる
「何言ってんの、やるしかないでしょ」
ピッと小さく自分の指に切り口を入れる
たらりと垂れてきた血
ーー赤血操術・改「紅糸」ーー
血液を凝固させ、しなやかにしなる鞭のような形状に変えたもの
液体故に何度切られても修復可能、それに伸縮、変幻自在の紅い糸
「知ってた?液体って時には金属よりも鋭利になる時があるの」
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作者名:ホウ酸 | 作成日時:2020年12月27日 17時