怪盗たちの恋愛事情。８【黒羽快斗 / 業火の向日葵】

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『…、』



昨日の事もあって少し気まずい。





「あ！Aおはよ！！さ、座って座って」



『園子おはよう…みなさんもおはようございます』





空いた席に案内され、椅子に腰をおろすとさっきまでしていたのだろう会話が再開された。





「知っての通り、ひまわりを所有する者達がこの期に及んで貸し出しを渋ってきおった

…そこでじゃ。

失われた信頼を取り戻す為、レイクロックにキッド専用の防犯システムを加える事にした」



『キッド専用？さすがだな…』



「そうじゃろう。」




思わず思っていた事を口にすると次郎吉おじさんが嬉しそうに頷いた。何だか可愛い。()





「昨晩なつみ女史から提案のあった、“ひまわり” により防犯カメラをカモフラージュする作戦はすでに採用済みじゃ！

他にも良きアイデアがあるようなら遠慮なく言って欲しい…


むろん、金に糸目は付けぬ！」




『“ひまわりにより、
防犯カメラをカモフラージュする”…？』






つまり、ひまわりの造花でカメラを隠すって事？

それはいい案だと思うけど…



考案したのはなつみさんだ
警戒は必要かもしれない。





「展覧会を成功させる事が我々の指名です…
すぐにアイデアをまとめ、提出させて頂きます！」


「うむ…頼む。」



彼女は岸久美子さん…だっけ。
しっかりしてるなぁ…





うんうん、と頷きながら、今日聞いたこの話を快斗にどう伝えようかと考えを巡らせていたとき。




「チャーリー…お主も協力してくれるかな？」


と、次郎吉おじさん。




『…げっ』


思わず声を漏らしてしまった。






そして、案の定チャーリー警部の口から出てきた言葉は私の癪に障る事ばかり。




「もちろんです

ヤツは怪盗と名乗っていますが、本当は目的の為なら手段を選ばない人殺し…

いや、テロリストです！」



『、』


「…ッ！」




…………落ち着け、落ち着け…

一生懸命自分を宥めていると、机をバンッ！と勢いよく叩いて立ち上がった影が1つ。



…園子だ。

……怒りの形相。私よりも怖い。(震え)





「アンタに何が分かるってーのよッ！！
大体、あの飛行機事故だってキッド様がやったとは限らないわ！！

そうよね、A！？」



『あ、うん…私もそう思う。

つか、なんでまだ人を殺した事もない人を人殺し呼ばわりしてんの？』







この静まり返った部屋に、
自分の声は思っていたよりも低く響いた。







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