お菓子は皆を笑顔にする魔法。【 夢色パティシエール】

▼sweet.029 ページ30

▼Your side





『いちごちゃーん、花房ー、差し入れだよー！』



ルミちゃんと樫野と安藤と私の4人で少しだけ走りながらいちごちゃんと花房の元まで行く。



「わあ！Aちゃんありがとう！！え、これ新発売に期間限定のお菓子ばっかり！」
『ご飯入らなくなるまで食べちゃダメだからね』
「はーい」



差し入れに夢中になっているいちごちゃんに注意をする。

だけど、彼女の胃袋なら差し入れぐらいペロッと食べ終わり、ご飯まで普通に食べれそうな気がしてクスッと笑ってしまう。



『どれどれー？いちごちゃんの作ったシュークリームに花房の作った薔薇の飴細工か...。シュークリムだけでも見た目は可愛いのに、飴細工がによって華やかさも加わって綺麗だわ！』



調理室に入ると、シュークリームは既に完成しており装飾までもされていた。2人は使った道具を洗っている最中だったのだが、作業を中断して私たちの所まで来てくれた。

差し入れを渡した後に、私がシュークリームの見た目を褒めると「ほんとー？！嬉しい！！」と自分のことのように嬉しがるいちごちゃん。

いちごちゃんはシュークリームしか作ってないじゃない(笑)とツッコミたくなるも、あまりに喜ぶいちごちゃんを見るとなんだか言えなくなった。


...ところが、



「お前が全部作ったわけじゃねえだろ、調子乗んなよ」



と、樫野がバッサリ私が言いたいことと、プラスに余計な一言まで言っちゃって。本当に口が悪い上に思ったことズバズバ言っちゃうんだから。まあ、大体の女の子は樫野の整った顔にやられて、口が悪いことなんてあんまり気にしていないようだが。



「凄いな天野さん」
「いや、見た目に誤魔化されるな。評価は味見をしてからだ。それじゃ」
『「「いっただっきまーす」」』

「いやー！！あたしが1番なんだからー！！」



私たちの冗談を本気にしたいちごちゃん。そりゃ頑張って作ったんだから自分が1番最初に食べたいよね。

ちょっと泣きそうになってるいちごちゃんをみんなで笑いながら、シュークリームを食べ始めるのだった。




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