愛すべき、松野一松｡［2］ (ページ37)

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悲しませちゃうからページ37

あれから、一松と話せていない。

一松はまた学校に来なくなってしまったし、私も私で松野家に行く勇気が出ない。

時間の流れというものは早いもので、もう２週間経ってしまっている

先生「黒澤さん！松野くんの様子見てきてくれないかな？」

A「あ、えっと…すみません、引っ越しの準備が忙しくて、その」

先生「あぁ、そっか…来月だものね。いつまでも黒澤さんに頼るわけにもいかないものね」

嘘をついた。

引っ越しの準備を進めているのは本当だ。

しかし引っ越してきてからそんなに時間が経っていなかったため、まだ開けていない段ボールもあり、準備は多少楽なのである。

A「どうしてるかな…一松」

来る日も来る日も一松のことを考える。

考えているだけでは何も変わらないというのは分かっていた。

トド松「Aちゃーん！ちょっといい？」

A「え、トド松くんどうしたの？」

トド松「うん…いや、一松兄さんのこと諦めちゃうのかなって思って。あと、最近十四松兄さんの様子がおかしいんだよね」

何か隠してるみたいなんだ。

その一言で察する。

ああ、十四松くんちゃんと黙っててくれてるんだ、引っ越しのこと。

だけど本当に申し訳ないな。

トド松「…それで？」

A「………諦めたくない、けど」

トド松「だよね！安心した。それなら今日家おいでよ、一松兄さん捕まえとくし」

A「…だめ、なの。私じゃ」

トド松「なんで？」

A「悲しませちゃうから」

だから、

このまま引っ越した方が、お互いのため。

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黒咲です！

最近新年度が始まったこともあり、忙しくなりました…
ので、少し更新頻度が落ちます。

申し訳ないです…

気長に待っていただけたら嬉しいです