愛すべき、松野一松｡［2］ (ページ22)

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いよいよページ22

テスト勉強を始めて一週間。
皆、多少はマシになってきたように思う。

トド松くんはマシどころの騒ぎではない。
勉強すればできる子なのだ。

そしていよいよ、明日はテスト本番。
前日である今日は早めに寝ようということになった。

…のだが。

一松「おいクソ松。何でこれを解いてその答えが出てくるんだ？あぁ？」

カラ松「ﾋｯ…！ごめんなさい！」

この一週間、あの二人の空間だけ何やら空気が違う。その為か皆近づきたがらない。

A「い、一松…？私そろそろ…」

一松「…あ、…お疲れ」

普通に話しかければ普通に答えてくれるのだが…カラ松くんの勉強に戻る度に人が変わるのだ。

A「…はぁっ……一松！」

一松「え、な、何」

A「カラ松くん、これでちゃんと頭に入ってるの？」

一松を指差してカラ松くんに問うた。

カラ松「い、一応……」

一松「あぁん？そのわりには解けてねぇよなぁ…？」

A「一松。私も付き合うから。とにかくその口調と顔をやめなさい」

一松「え、あ…ダメ」

A「ダメ？何で？だってこれじゃあカラ松くん…」

一松「……僕一人でカラ松の点数上げないと、ダメ…でしょ」

A「一松………」

一人称から察するに、相当本気らしい。

何かに本気で取り組んでいる一松、初めて見たかもしれない。

そう考えると、とても嬉しくなった。

A「…分かった。じゃあ、近くで一緒に起きてる。それならいいでしょ？」

一松「で、でも…」

カラ松「そうだぞA、寝てくれ」

A「私が起きてたいの」

一松「…………あっそ、好きにしたら？」

真っ赤な顔を背けて言い捨てる。

そんな可愛い一松と頑張るカラ松くんに、まずは夜食でも作ってあげよう。