【あんスタ】僕らの片想い奮闘記【短編集】 (ページ8)

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神崎颯馬の奮闘記ページ8

Side.Souma

「…A殿」

『わぁっ！？ごめんなさい刃物向けないで！？』

我の刀を見て怖気づいてる彼女。我の同級生兼プロデューサー。

我の想い人でもある。

けれど、さっきの様子を見れば分かると思うが、A殿は我を…正しく言うと我の刀を相当怖がっていて、話にならない。

だからといって、恋慕だけのために刀を捨てるのも武士の名に恥じる。

「神崎」

「あ、あどにす殿。どうなされた」

「今日の日直、Aと同じだが、大丈夫だろうか？」

あどにす殿に言われ、黒板の端の日直の欄に目をやる。そこには我とAの名が並んで書いてあった。

「仕事になるか？まともに話せていないだろう」

「心配ご無用！」

とは言ったものの、いざ日直の仕事となると、我が近付くだけで後退するA殿とは非常に仕事がやりにくい。

『あ、あの、神崎くん』

「…」

『神崎くん？』

「えっ、あ、ど、どうなされた」

話しかけられるのなんて初めてで、反応が遅れてしまった。

『神崎くん、なんでいつも刀を持ってるの？』

なんともいえない質問だった。
別に、「なんで」と言われると、「落ち着かないから」としか言えぬ。

何故落ち着かない？

「刀は、我の身体の一部のようなものであるからだ」

『……大切なんだね。ごめん、もう怖がったりしないよ』

微笑む彼女。

　

　

　

刀を捨てるのは、武士の名に恥じる。