風に翔ける【究極の絆グリフォン】 (ページ9)

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8 雷門side ページ9

「納得出来ません、こんな大事な時期に合宿だなんて！」

「そうです、僕達今HRの真っ最中なんですよ！」

例の試合から1週間ほど経った頃。ゴッドエデンのことなど露ほども知らない雷門イレブンは、金山理事長によってグラウンドに集めれていた。

彼からの…いや、フィフスセクターからの指示は、強化合宿を兼ねた遠征に彼らを向わせること。

無論、チームは全員が猛反対。当然だ、タダでさえ革命の中心としてフィフスセクターに狙われているというのに、自ら見え見えの罠に掛かりに行くなんて。そんなこと、馬鹿馬鹿しいことこの上ないからだ。

説得の見込みが微塵もない様子の雷門イレブンを一瞥した金山は、その姿を嘲笑うかのように怪しい笑みを浮かべた。

「君達は知りたくないのですか？元監督の円堂君がどうしているのか。…彼は今、我々の手伝いをしてくれているのですよ」

その言葉に、イレブンの間に衝撃がはしる。そんな…と誰かが呟いた。鬼道は何か考えるように顎に手を当て、下を向く。

“円堂の名前を出せば雷門は必ず出向いてくる”

金山の頭の中には、聖帝のその言葉が染みついていた。まったくもってその通りだ。彼らの、“人を信じる心”は時には仇となることもある。

「…行ってみませんか、監督」

考え込む鬼道に、不意に神童が声をかけた。彼が顔を上げると、神童を中心に雷門イレブンが鬼道を見つめている。

「もしかして円堂監督は、何か奴らの企みに気付いて行動に出たのではありませんか？」

神童の勘の鋭さは、鬼道の考えを見透かしているかのようだった。始めは金山に反発していたイレブンも神童に同調し、あえてこの罠に乗ってみよう、と意思を固めていた。

「…よし。分かった！」

その姿を見た鬼道は、彼らを見て微笑む。かくして雷門イレブン達革命一行は、究極のシードが集う島…ゴッドエデンへと旅立つことになったのである。