風に翔ける【究極の絆グリフォン】 (ページ8)

今日:2 hit、昨日:12 hit、合計:14,660 hit

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青銅と軽く会話を交わした後、早く持ち場に戻れと言わんばかりの顔をする白竜の鋭い視線を受けながらポジションにつく。

ふとシュウに視線を移せば、センターサークル近くで何やらカイと話し合っているようだった。その姿をぼぉっと眺めながら、少し考えてみる。

先程のプレー…本来なら青銅が点を入れたことでMFへの当たりが強くなったかもしれないが、今の攻めはどちらかといえばカウンター攻撃のような節があった。

カウンターからのMFのシュートはさして珍しい話でもないので、まだ私が点を取るチャンスは残されている筈だ。うん、まだ…まだ、大丈夫。化身を発動すれば、追加点は固いだろう。

ふと、ザッと靴が地面に擦れる音が聞こえた。2人が話し合いを終えたようだ。シュウが持ち場に戻っていく。

2人の顔を見、全員がポジションについたのを確認してから牙山がまた手を挙げた。すると再度無機質な笛が鳴り響く。エンシャントダークサイドで試合が再開された。

「帆田！」

「ブリタニアクロス！」

直後、化身を発動している青銅がボールを奪い帆田にパスするも、シュウとカイの連携DFによりカット。ボールを奪ったカイはその状態で突っ込んでくる。

流石、マイナスの力は伊達じゃない。圧倒的なDF能力だ。だからこそ、このチームと対戦するときには先制がとても大事になってくる。何故なら、シュウ達は相手の動きを見切ることでその力を奪っていくことを主な戦術としているから。

それを踏まえ、動きを読まれる前…前半は全力で攻めて、後半は守りに徹する…この方法が最も失点を減らし勝利することができるという風に私達は考えていた。だからこそ、今日はその作戦を試してみようということになったのだ。

「クレイジーサンライト！」

「よし、上げろ！」

鬼塚がカイから必殺技でボールをカットし、白竜の指示で大きなパス。受け取ったのは笹山だ。

「笹山！こっちに！」

「ッ、A！」

その笹山から、今度は私がパスを受け取る。チャンスだ。背中の方が熱くなるのを感じながら、私は声の限り叫んだ。

「こい！化身、＿＿＿！」