【◇】青道のマネしてます 3 (ページ45)

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#142 私の王子様↓ ページ45

＊小湊亮介＊

『うあぁ…寒いぃ…』

生徒玄関から外に出て、顔に当たる風に身を縮こませる。

気温はマイナス。

こんな日に限ってマフラーも手袋も忘れてくるなんて。

『いくら家が近いからってこれはないよ…』

「自業自得でしょ」

ふいに、後ろからにゅっと現れた亮介。

首にはマフラー、手には手袋、お顔はにっこり笑顔。

『…ずるい。亮介、私よりも近いじゃん。貸せ』

「嫌。俺の温もりが消える」

『温もりなんていくらでも出来るからさぁ、今は私に温もり与えてよー』

必死に奪い取ろうとすればするほど亮介はからかってくる。

これは体力の無駄だな、と諦めて帰ろうとした時、ぱっと右手を掴まれた。

亮介は手袋を外して私と恋人繋ぎをする。そのまま制服のポケットに手を突っ込んだ。

『ん…？』

「手ぇ冷たすぎ…。冷え性なら防寒具忘れないでよ…」

『えっいや、あの亮介さん』

「なに？かえるんでしょ？」

『いや確かに帰りますけど………このまま…？』

さっきからチラチラとこちらを見てくるクラスメイトや可愛い後輩たち。

恥ずかしくてたまらない。

「いいじゃん、見せつけとけば」

『亮介に恥ずかしいという言葉はないんだね…』

「うん」

ふわっと笑って私より半歩先に歩き始めた亮介。

かと思ったら急に止まって片手でマフラーを外し、私に巻いてくれた。

「はい、どーぞ」

『えぇっ！？いやいいってば！亮介が風邪ひくよ！』

「さっきは貸せって言ってたくせに」

『気が変わったの！』

「じゃあ俺も気が変わった。Aにこれかしてあげる」

『えー…悪いってばー…』

「いいから帰るよ」

そう言って彼は、手を握る力を再び込めて歩き出した。

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「これで温もり半分こだね」

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