【Fischer's】×【東京喰種】それでも愛してる。 (ページ16)

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過去シルクside ページ16

あんていくについた俺は店に続く階段を上がっていく。

【カラン】と、扉を開けると客が来たことを知らせるベルがいつものようになった。

店の中は都合よく、空いている時間のようだ。

中には家に来た女の子と店長と思われる男性しかいない。

董香「いらっしゃいませー……ってあんた！！」

シルク「あ……どこかで見たことあると思ったら、ここの店員さんだったんだ…」

「どうしてここに？」と睨みつけるように言われた俺は素直に答えた。

シルク「Aに会いに来た。ここにいるんでしょ？」

董香「……いないよ。さっさと帰んな」

シルク「帰んない」

董香「帰れ」

シルク「帰んない！！」

董香「帰れっていてってんだろ！！！！」

芳村「董香ちゃん！！」

彼女の怒りを静めるように男性は彼女の名前を呼んだ。

そして、カウンターからエプロンを外し、俺にゆっくりと近付いてくる。

芳村「君は絹張諒くんと言ったね。本当にAちゃんが好きみたいだね」

シルク「好きです。胸がきゅっとなるくらい
すげー好きです。」

芳村「うん。いい目をしている。本当に愛してるみたいだ。君ならあの子も幸せだろ………。しかし、あのこの過去を知ってそれでも、

愛していられるか？」

シルク「過去………？」

そういえば。俺……。Aのこと、何も知らない。

店長と思われる男性はニッコリと穏やかな笑見を浮べ、カウンターの席に座るよう促す。

俺は促せるがまま、席についた。

このあとの衝撃的な過去に出くわすとも知らず。

芳村「自己紹介がまだだったね。私は芳村という。そっちは霧島董香ちゃん。

君は察していると思うが私たちは皆、喰種だ」

董香「！！店長、ちょっと！」

店長_____。改めて芳村という老人は董香の怒りを沈めるように笑を浮かべた。

董香「んっ………」

喰種………。ってあの夜に見たAみたいな存在って事か？

芳村「我々の仲間ということは、Aちゃんも喰種だ。

しかし、彼女は我々とは少し違う人種でね」

シルク「違う人種？？」

芳村「あぁ……さて、どこから話していこうか。

あれは十数年前……。」