【Fischer's】×【東京喰種】それでも愛してる。 (ページ13)

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私情だけで動くなマサイside ページ13

目を開けると最初はぼんやりとしていた視界が段々と開けてくる。

そして、ここがCCGだと言うことはすぐにわかった。

マサイ「ん………いって」

ここは俺が何度もお世話になってる医務室だ。この白いベット、変な消毒の匂い。

間違いなく彼処(あそこ)だ。

？「マサイ、入るぞ」

男らしく何処か優しげのある声に俺は「どうぞと返事をした。

篠原「どうだ、調子は」

入ってきたのは篠原さんだった。

俺の上司で父親がわりみたいな人。

マサイ「あー……体は痛いですけどなんとか大丈夫？です」

篠原「そうか、なら問題ないな」

マサイ「…………？？」

なんだ？とはてなマークを頭に浮かべると、鉄球よりも固いんじゃないかって思うこ拳が俺の頭に直撃した。

マサイ「いったぁああ！！！！」

篠原「このバカたれ！俺がどんだけ上に掛け合ったと思ってんだ！お前、危うく一等捜査官じゃなくなる所だったぞ！」

マサイ「それにしたって！拳骨はひどい！」

篠原「拳骨で済んだこを感謝しろ！」

篠原さんはカンカンに怒っていた。確かに、篠原さんの昔使ってたクインケを無断で借りたけど……

それにしたって、拳骨はひでぇ！！！

マサイ「いててて……」

篠原「たく……お前と什造には手を焼かされる」

マサイ「………んっ什造と一緒にしないでください」

むんつけたように言うと「ははっ」と笑う。いつもの優しい篠原さんの声だ。

篠原「悪い、悪い。………マサイ」

マサイ「なんすか？まだ、お説教ですか」

篠原「……………『ハゲタカ』だったのか？」

その単語と同時に幼き記憶が蘇る。

何も出来なかった。あの記憶。

マサイ「…………はい、確実にあれはハゲタカでした。
もうすぐで、もうすぐで仕留められたんです。
…………もうすぐで父さんや母さんの仇を……」

俺は真っ白なシーツをしわがつくまで握る。

その手は自分の未熟さゆえに、震えているのが理解できた。

篠原「マサイ」

俺の名前を呼ぶと篠原さんは震える手にそっと手を置いた。小さなか子供を慰めるかのように。

篠原「……お前の気持ちはよく分かる。ただな、
今回のように私情だけで動くな。

お前はもう、あの時のお前じゃない。

捜査官だ。

捜査官としてルールはしっかり守れ

困った時は俺に言え。いつでも相談にのってやる」

それは父親でもあり、母親のような偉大で大きな暖かさがあった。
この人はなんでこんなに優しいんだろうな